元宙組の超実力派男役だった、留依まきせさん。退団直後からバリバリ活動中です。
「何をやっても巧い!」と誰もを唸らせ、宙組を安心して任せられる…と誰もが思っていたところ!
2022年、まさかの退団発表でファンは大ショック!!
しかし、退団後の楽しそうな大活躍を見てホッとひと安心したのも事実です。
稀有な才能を持った留依まきせさんが、宝塚時代にどんな活躍を見せていたのか、現役のスターさんとどんな絆を持っていたのか。
留依まきせさんの溢れる個性と共にたくさんのエピソードをお伝えしていきます!
留依まきせ:退団はいつ?退団理由はなぜ?
留依まきせさんは2022年『HiGH&LOW/Capricciosa!!』にて宝塚を退団されました。入団12年目でした。
宝塚では「男役10年」といわれます。
男役として自然に見える所作や知識が身につくまでには10年かかる、という意味です。
ですので、留依まきせさんが退団した12年目という時期はまさに「脂が乗っている」ときでした。
役との向き合い方、黒燕尾の着こなし、ショーでの見せ方。
しかも、すべてが「一流」と言っていいレベルに到達していた頃だっただけに、退団は本当に残念でした。
退団理由については、割と前から考えていた、とのことです。
『宝塚で吸収できることを若いうちにガッと吸収して、パッとやめようと思っていた』と退団後に語っていらっしゃいました。
つまり、はじめから「目標はトップスター!」というわけではなかったのですね。
もちろんそのような巡りあわせが来ればきっと精一杯務めたのでしょう。
しかし、宝塚は「上手ければ上手いほどトップになれる」わけではありません。
運やタイミングなども大きく関わることというのは、タカラジェンヌ全員が充分理解しているでしょう。
留依まきせさんの場合は、「表現者」としての退団後のセカンドキャリアもずっと描きながら卒業のタイミングを見ていたのかなと思います。
留依まきせはケガ休演でスター路線落ちした?
留依まきせさんは、入団5年目に大きな怪我で半年も休演期間がありました。
身体を常に酷使しているタカラジェンヌには、怪我がつきものではあります。
そうならないよう、休日は身体のメンテナンスにほとんどの時間をあてるタカラジェンヌも多いでしょう。
それでも、運が悪い時はあります。留依まきせさんは完治に半年もかかる大怪我をしてしまいました。
しかも本当に運の悪いことに、怪我のせいで入団5年目にある最後の試験を受けられませんでした。
最後の試験結果は、その後のタカラジェンヌ人生の序列がきまります。
たとえ全員が退団したあとでも、例えばOG公演で舞台に並ぶ順番や何かの優先順位は、すべてその最終試験の結果順で決められていきます。
試験を受けられなかった留依まきせさんは、つまり最下位……。
もともと留依まきせさんは、期待の新人。入団時には首席。スターの登竜門と言われている、阪急電鉄の初詣ポスターにも抜擢されたほどでした。
最後の試験を受けられなかったので、もうスター路線には乗れない……?と思いきや、入団7年目の新人公演最後の年でついに主演を掴みます。
演目は『王妃の館』。浅田次郎さん原作のコメディセンスが問われるテンションの高いお役を期待通りバッチリこなします。
ですので、怪我での休演=路線落ち、ということではないように思いますね。
留依まきせ:宝塚何期?同期、年齢、本名、身長、芸名や愛称(あだ名)の由来は?
留依まきせさんは、2011年入団の宝塚歌劇団97期生になります。
同期は以下のような方々です。
海乃美月(うみのみつき):月組トップ娘役
永久輝せあ(とわきせあ):花組二番手スター
秋奈るい(あきなるい):宙組副組長
97期生の初舞台は2011年の星組公演『ノバ・ボサ・ノバ/めぐり会いは再び』。
その後、組まわり(研修期間)を経て宙組に配属となります。
留依まきせさんさんの生年月日は1993年6月23日。身長は170センチです。
本名は深森 梓さんで、愛称は本名から「あーちゃん」ですが、ファンの間では「ルイマキセ」が主流だったような気がします(笑)フルネームです(笑)
しかも、SNSなどでそう呼ばれていることはご本人もご存知だったようです(@_@)
ご本人のパワフルでパッショネイトな雰囲気から、なんとなく呼び捨てにしたい気持ちになるんですよね(*´▽`*)
留依まきせさんは、宝塚時代の芸名は「留依蒔世(るいまきせ)」でした。
今はタカラジェンヌ時代を知らない初顔合わせの仕事相手が多いでしょうし、これから世に出ていくにあたり、読みやすいように改名したのかもしれません。
「蒔世」の由来は「世に種を蒔く」ということからで、とても素敵な漢字だっただけに、ひらがなに改名された際、私はちょっと残念でした(+o+)
ところで、97期生は退学や留年した生徒が6人も出てしまっていたり、入団して1~2年で退団してしまった生徒がいるので、少し波乱万丈な学年でした。
ちょうど97期生の入学の年から、宝塚音楽学校入試の合格基準が変わりました。
その時点でできあがっている実力よりも、容姿や将来性などを重視するようになったと言われています。
しかし、音楽学校の教育体制は依然と変わりませんから、基礎的なスキルの無い生徒が入学後に授業についていけなくなって退学した、という事情もありそうです。
その中で成績トップの首席の留依まきせさんは、同期生をまとめひっぱる苦労もあったでしょうね。
留依まきせ:歌唱力・ダンス・芝居は?
とにかく留依まきせさんは「なんでもできる人」です。
バレエも幼少期から習っていましたし、歌もトップクラス。台詞を一言聞いただけで誰もが「おっ!美声!」と感じる発声と滑舌の良さ。ちょっとハスキーで個性的な美声です。
感情表現が豊かな人なので、どんな役でも安心して任せられる技量があります。
それでも、最後の試験が受けられなかったせいなのか、公演での役付きはあまりいいとは言えず……
留依まきせさんの実力を知る人は、ずいぶんやきもきした時期を過ごしました。
そしてようやく「ルイマキセの正しい使い方!」と言えるようになったのは、退団直前付近だったように思います。
その中でも印象的だった役を挙げてみます。
- 2018年『不滅の棘』ハンス
- 2019年『追憶のバルセロナ』ミゲル
- 2021年『夢千鳥』紺野陽平/恩地孝四郎(2役)
- 2021年『プロミセス、プロミセス』 カール(男役)/マージ(女役)(2役)
- 2022年『NEVER SAY GOODBYE』ラ・パッショナリア(女役)
どの役も、感情を爆発させるようなとても難しい役です。
個人的にですが、私がこの中で強く印象に残っているのは、『不滅の棘』のハンスと、『夢千鳥』の恩地です。
ハンスは、母親に愛されず、妹にも先立たれてしまう、とても可哀想な青年です。
恩地は、作品を描かなくなってしまった竹久夢二に、「先生の作品が好きなんです!どうか描いてください!」と説得する場面が秀逸でした。
その恩地の熱い情熱が伝わったおかげで、夢二役の和希そら(かずき そら)さんは毎回ポロポロと美しい涙を流すことができました。
宝塚時代の代表作は女役!?
印象的だった役の中で目を引くのは、2作品も女役を演じているという点。
しかも『プロミセス~』のほうは男役と女役の2役!!!
これは、本来マージ役を演じるはずだったはずの人が休演となってしまい、なんと本番1週間前に急きょ留依まきせさんが2役やることに!
普通、休演が決まった場合は、出番が少ない下級生が抜擢されたりします。
しかし、このマージという役はかなりぶっとんだ女性なので非常に難しく、下級生ではとても務まらないので、留依まきせさんに白羽の矢が。
男役のほうが硬派でコワイ男性、マージのほうは男性に飢えている情熱的な女性という両極端なキャラクター!
しかも両方とも二幕目に登場するのです。
それを見事に演じ分けたのは、留依まきせさんへの評価を更に高めることになりました。
『NEVER SAY GOODBYE』のラ・パッショナリア役は、スペインの女性政治家。革命の女闘士役。文字通り情熱的で強い女。
この役ができたらやめても良いな」と思うほどやってみたかった役で、見事にオーディションで夢を掴みます!
朗々と歌い上げる声が劇場中に響きわたりました。
しかし、女役で辞めるのはではなく、男役の集大成をお見せできる作品で辞めよう、と機会をうかがっていたとのことです。
素晴らしい芝居勘と美声の持ち主なので、女役もこなせる、というのはもちろん納得ではあります。
しかし留依まきせさんは割とキザな、男くさいタイプの男役さんなので、マージという「女丸出し」の役があんなにハマるのは驚きでした。
こういう芸達者なタカラジェンヌには、まだまだ宝塚を支えてほしかったですね~。退団発表は本当に本当にファンにとってショックが大きかったです。
留依まきせ:熱いエピソードや和希そらとの絆
先ほど『夢千鳥』で和希そらさんとの見事な共演があったとお伝えしました。
和希さんは留依まきせさんの1学年先輩。宝塚音楽学校では、指導をする側・される側の関係でした。
和希さんも成績優秀者だったので、きっと音楽学校時代から留依まきせさんを指導する場面も多かったでしょう。
その上、同じ宙組に配属され、新人公演時代は両者とも重要な役につくことが多かったので、助け合って成長してきた強い絆をお持ちです。
宝塚専門チャンネルで和希そらさんにフィーチャーした番組では、ゲストに登場。和希さんは「(留依まきせさんが)宙組に入った時は、熱い仲間が増えてうれしかった。」と語っていました。
留依まきせさんも和希さんも大変に芸達者なので、当時の新人公演や若手メインのコンサートなど、本当にハイレベルでした。
そして留依まきせさんは舞台以外でも男前!
留依まきせさんの出待ちをしているファンクラブ会員さんに、「女性に寒い思いをさせてしまって本当に申し訳ない」と気遣う姿なども目撃されていました。
ご自身も女性だと思うのですが…(^^;)
情熱がほとばしっている舞台姿は圧巻ですし、サービス精神にあふれ、ファンを気遣う優しい留依まきせさん。
退団挨拶では、客席に向かって「覚えてろよーーー!!」と叫び、客席は泣き笑い!
本当にファンから愛されていた男役さんでした。
留依まきせ:結婚は?現在の活躍は?事務所はどこ?舞台やテレビ・ラジオの出演は?
2022年11月に宝塚を退団し、先輩のコンサートやディナーショーの助っ人に呼ばれるなど、すぐに活動をスタートさせた留依まきせさん。
NHKのラジオドラマへの出演もありました。芝居の基礎が出来上がっている宝塚OGは、ラジオドラマへの出演が割と多いようですね。
今のところはどこの事務所にも所属していないようです。そのようなOGは近年非常に多くなっています。
結婚はもちろんまだ。
「兄が好きすぎて気持ち悪がられる」と言っているほど、敬愛しているお兄様がいることも退団後に明言されました。
お兄様はレザーグッズのデザイナーのようで、イマドキのオシャレな感じの男性です。
留依まきせさんも在団当時からとてもオシャレだったので、お兄様の影響もあったのでしょうね。
留依まきせさんの現在までの主な活動は、まずはディナーショーの開催。
しっとりした曲が中心になる一般的なディナーショーとは違い、パッショネイトな留依まきせさんらしい熱いステージだったようです。
そしてついに出演舞台も決定!
元雪組スターの彩凪 翔(あやなぎ しょう)さん主演の時代劇『PRINCESS TOYOTOMI』に、小松姫の役で出演されるそうです。
男役の人が退団してすぐは、まだ男役っぽさが強く残ってるため、割と中性的な役からスタートすることが多いと言えます。
しかし留依まきせさんは宝塚時代に女役としてもあれだけの実績を残しているので、退団した直後から「即戦力」!
今後もどんどん新しい役に挑戦してくれるでしょう。
エンターテイナーとしての魅力もぜひ発揮し続けてほしいので、コンサートなどの仕事も継続してほしいですね。
テレビなどの映像の仕事もぜひ期待したいところです!
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