元雪組スターの和希そら(かずき そら)さんは、未来の雪組トップスターが射程圏内に入っていながら、衝撃の退団発表をしてファンを驚かせました。
こちらの記事では、和希そらさんがどのようなスターだったのか、基礎知識をお伝えしました。
今回は、和希そらさんの基礎知識、第2弾です!下級生時代のお話をメインにお伝えしようと思います。
和希そら若い頃:宝塚入団のきっかけは?ダンサー志望!受験スクールはどこ?
和希そらさんは岡山県の出身です。
お兄様が2人いらっしゃる3きょうだいの末っ子ということで、いつだって「兄と競争」の日々だったそうな。
外を散歩中に「かけっこだ!」と言われれば兄たちに必死に追いつこうとして、血だらけになりながら競争していたそうです(笑)
そんな身体能力を見ていたお母様が「この子にはダンスをさせてみよう!」と思いつき、幼少期からダンスの道へ。お母さま、素晴らしい先見の明!
「ガールズヒップホップ」というジャンルのダンスだったようで、バレエ出身のタカラジェンヌが多い中、これはかなり珍しいですね。
そして2005年の雪組公演『霧のミラノ/ワンダーランド』を初観劇。一気に惹き込まれ、「ここに入る!」と決意。
宝塚音楽学校受験に向けて、岡山県内では有名な受験スクールに通います。
それは、宝塚OGである天希かおり(あまき かおり)さんのスクール。和希そらさんは中卒で初めて受験して見事一発合格!
天希さんから「希」の一字をもらい、芸名に入れたそうです。
ちなみにこの天希さんのスクールからは、他にも大勢のタカラジェンヌが輩出されています!全員が「希」や「天」の一字を芸名にもらっていますね。師匠と弟子、という感じがしていいですよね(^_^)
東京でも大阪でもなく、岡山県という地方のスクールからそれだけの合格者が出ているのはなかなか珍しいことです。
天希さんは現役時代も屈指のダンサーとして大活躍されたスターさんでしたので、「弟子」たちもやはりダンサー揃い。
和希そらさんはその中でも飛び抜けた才能を持った人と言えますね。
和希そら若い頃:宝塚音楽学校の成績は?
中卒受験で一発合格する人はどこか「やっぱりね」という納得感があります。
面接官が「すぐにでも欲しい!」「他の劇団やプロダクションに取られては困る!」というほどのポテンシャルを感じたのでしょう。
和希そらさんも、「受験時にソプラノが出なくて歌唱の成績が最下位だった」というエピソードがありつつも、それ以外のポテンシャルの高さは一目瞭然だったのでしょうね。
ちなみに、身長は男役としてはかなり小さいほうではありますが、大変な小顔の持ち主です!
お茶会などでご本人を目の前にすると、顔の小ささにみんなびっくりです(笑)
そのあたりも、中学3年生で既に一般人とはかけ離れたものがあったのだと思いますね。
和希そらさんはもともとが低音ボイスなので、単に裏声の出し方がわからなかっただけで、宝塚音楽学校入学後はめきめきと成績を上げていきました。
そして最終的には2番という超優秀者に!
のちに女役で披露した高いキーは全く問題なく、むしろとても綺麗な歌声でした。
あまり努力の影を見せないタイプですが、きっと相当な努力をされたのだろうと思います。
2番ということはもちろん他の教科も優秀。
ダンスの基礎はありましたが、専門はヒップホップやジャズ。「バレエは3歳から習ってました」という人がほとんどなので、きっとバレエでも苦労されたことでしょう。
それもめきめきと実力をつけ、総合で2番というところまでいったのですから、本当に努力家です。
和希そら若い頃:桜木みなととの仲は?安蘭けい・礼真琴・宇月颯への憧れ
宝塚音楽学校を卒業後、宙組に配属された和希そらさん。
宙組96期生の中で成績トップですし、新人公演でもすぐに重要な役につきましたので、劇団の中でも「この子を路線スターに」という思惑はあったのでしょう。
1期上級生の桜木みなと(さくらぎ みなと)さんも、和希そらさんと同じように路線スターとして育てていく候補でした。
そんな2人は切磋琢磨しながら新人公演時代を過ごします。
そして、宝塚専門チャンネルでの共演などがきっかけで「ずんそら」という呼び方(桜木さんの愛称が「ずんちゃん」)がファンに定着していきます。
小学生男子のような(笑)、いつもギャーギャー賑やかな2人はとても仲良しでした。しかも舞台に立てばどちらも実力が高いので、「ずんそらファン」は宙組ファンの一大勢力だったと言ってもいいですね。
桜木さんが和希そらさんにとって「戦友」のような関係だとしたら、「憧れ」にあたる上級生としてよく名前が挙がっていたのがこのお2人。
- 礼 真琴(れい まこと)/星組トップスター
- 宇月 颯(うづき はやて)/元月組男役スター
礼さんも和希そらさんの1期上級生で、音楽学校では首席でした。
音楽学校では、本科生と予科生の成績上位者たちで、指示を出したり受けたりします。
礼さんも和希そらさんも成績上位者ですので、きっと音楽学校時代に接点が多くあったのでしょう。
礼さんは和希そらさんと同じように、歌もダンスも芝居もなんでも天才的にこなす人。和希そらさんは強い憧れを抱いていたそうです。
2人はよく対談などもしており、和希そらさんがいかに礼さんに憧れていたかがよく分かります(#^.^#)
もう一人、「ダンサーとしての憧れ」を抱いていたのが、元月組の宇月 颯さん。
和希そらさんの初舞台公演『スカーレット ピンパーネル』は月組公演ですので、そこに宇月さんが出演していました。
確かその際に和希そらさんが宇月さんのお手伝いをしていた、と話されていたように記憶しています。
あまり人前で涙を見せない和希そらさんですが、宇月さんの退団に触れた話をした時は珍しく声を詰まらせていました。
和希そらさんが宇月さんの退団公演を観に行った際には、宇月さんが和希そらさんの肩を抱き、男役として、ダンサーとしての大切な心得を言い残してくれたそうです。
そして、在団中に宝塚専門チャンネルで共演した安蘭けい(あらん けい)さん(元星組トップスター)にも、シンガーとしてとても憧れている様子が見えました。
2人は番組で名曲のデュエットを披露し、超歌うまの2人のハーモニーは、それはそれは絶品でした(*´ω`*)
和希そら若い頃:入団時の成績や初舞台作は?宙組では子役専科?
2番という立派な成績で宝塚歌劇団に入団した和希そらさん。
初舞台は2010年の月組公演『スカーレット ピンパーネル』です。
成績優秀者ということもあり、宙組配属後の新人公演でも台詞のある大きな役に早々に抜擢されていきます。
しかし、身長がコンパクトなせいか、本公演で少年の役がずいぶんと長く続きました。
和希そらさんが10代の役を演じた作品はこちら。
- 2016年『ヴァンパイア・サクセション』ランディ・ケンパー
- 2019年『オーシャンズ11』ライナス・コールドウェル
- 2019年『エルハポン』 藤九郎
- 2022年『夢介千両みやげ』 三太
2022年の『夢介~』のときは、和希そらさんはもう入団13年目です!(笑)
逆に言えば、もう男役としてベテランの域に達している時期にフレッシュな役柄を演じられるのは、高い技量あってこそという気もしますね。
少年のような顔立ちや身長、という要素ももちろんあったでしょう。
身長の低い男役さんは、現役時代には大抵身長をサバ読んでいることが多く(笑)、あまり身長の話題を出さないのが一般的です。
しかし和希そらさんはもう開き直っていたのか、お茶会でこんな場面が。
後方の座席の人が見えづらいかな?という配慮をして、司会者に向けて「わたし、立ったほうがいいですか?」と訊きました。
司会者さんは「ご着席で大丈夫です(^_^)」と答えましたが、「(背が小さいから)立っても座ってもあんまり変わらないか……」と小声で自虐ネタを披露して会場は爆笑!
そんなキュートなところも、和希そらさんがとても愛された理由のひとつではないでしょうか(#^^#)
学年がだいぶ上がってもまだ子役が続くのか!という一方で、もちろん渋い役どころも難なくこなしていた和希そらさん。
宙組時代の後半には、部下と不倫をするイケナイおじさまだったり、シャーロックホームズを追いかける渋い刑事さんなどを演じていました。
老若男女問わずなんでも完璧に演じられる和希そらというタカラジェンヌは、本当に本当に貴重でした。
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