今回ご紹介するのは、宝塚男役出身のスーパーダンサー宇月 颯(うづき はやて)さんです!
在団中は下級生(後輩)から「憧れているダンサー」として頻繁に名前が挙がるほど、正確で丁寧なダンス技術には定評がありました。
退団されてからも様々な作品で名前を目にする宇月 颯さんについて、宝塚時代のエピソードをまじえてたくさんご紹介していきましょう。
※分からない用語があれば【宝塚用語集】をご覧くださいね。
宇月颯の何期?本名は?同期は誰?年齢、愛称(あだ名)の由来、身長は?
宇月 颯さんは本名は石坂年美(いしざか としみ)さんで、愛称は「とし」です。
ファンは「としちゃん」と呼ぶことがおおいですね。
2004年に宝塚歌劇団に入団した90期生になります。在団中は月組に所属。
同期生には、トップ娘役がお2人いらっしゃいます。
- 蒼乃夕妃(あおの ゆき)/元月組トップ娘役
- 愛原実花(あいはら みか)/元雪組トップ娘役
- 瀬戸かずや(せと かずや)/元花組男役2番手スター
瀬戸かずやさんは退団後はテレビや舞台で大活躍ですね。人気Youtuberの如月連(きさらぎれん)さんも同期です。
宇月 颯さんの生年月日は1985年4月17日です。
身長は166センチ。男役さんとしては少し小柄なタイプになりますね。
しかし、その小柄さを感じさせない、パワフルで伸びのあるダンスは見ている人の目をぐっと惹きつけます。
情熱的でありながら暑苦しくないクールなところも魅力。静かにほほ笑みを浮かべながら、ポーズもびしっときまってカッコイイ!
見ていて本当に気持ちがいいんですよね。
宇月 颯は瀬奈じゅんがダンサーのお手本
宇月 颯さんといえば、ダンサーとして、男役として、憧れられる存在。
そんな風に宇月 颯さんが一流の男役になったのも、同じ月組でたくさんのことを教わった、元月組トップスター瀬奈じゅん(せな じゅん)さんの存在が大きかったようです。
「瀬奈じゅんファン」を自称していたほど、とにかく瀬奈じゅんさんのことをずっと目で追っていた宇月 颯さん。
瀬奈じゅんさんは、宇月 颯さんと同じく、バレエ出身の名ダンサーでした。
瀬奈じゅんさんの写真をたくさん見て、美しい動きを研究したこともあったそうです。
燕尾の着こなし方、燕尾を着た時の踊り方、手の使い方など、男役における全ての面で目標にしてきたのが瀬奈じゅんさんだったとか。
瀬奈さんがしてくれたのと同じように、宇月 颯さんも後輩に自分の持っているすべてのものを伝えようとしていたのでしょうね。
いろんな先輩タカラジェンヌの教えが、それぞれのタカラジェンヌを通して脈々と後の世代に受け継がれていく、これが宝塚の伝統を支えているんですね。
そんな様子を知ると「やっぱり宝塚っていいなあ」と、胸が熱くなります。
宇月 颯の芸名の由来、宝塚入団のきっかけは音月 桂(元雪組トップスター)!
宇月 颯さんのもうひとりの憧れの存在は元雪組トップスターの音 月桂(おとづきけい)さんです。
宇月 颯さんは幼少期よりいろいろな習い事していて、その中のひとつにバレエがありました。
67期生の男役、文月 玲(ふづき れい)さんのバレエスタジオでした。
OGが経営しているバレエスタジオということで、宝塚受験クラスも併設されています。
多くのタカラジェンヌが輩出されています。
バレエスタジオで憧れの存在だった音月 桂さんの初舞台を見て、宇月 颯さんも受験を決意したそうです。
音月 桂さんも宇月 颯さんも、芸名に「月」が入りますよね。
これは恩師である文月 玲先生の「月」の字を頂いたそうです。
宇月 颯:ダンサーとして頭角を現す
宇月 颯さんは初めての新人公演でダンサーの憧れの役、『エリザベート』の黒天使にいきなり抜擢されます。
黒天使に選ばれるということは、ダンサーである証。
宇月 颯さんはここで一気にダンサーとして大注目を集めます。
新人公演ではその後も大きな役付きに恵まれますが、主演にはなかなか届かず。
新人公演の最後の年に、ついに主演を射止めます。
新人公演で主演を任されるということは、劇団としても宇月 颯さんをスターとして育てていく意思がある証拠です。
新人公演で主演を務めた後、バウホール公演という若手主体の別箱作品の主演を任されれば、さらに確固たるスター路線に進みます。
しかし、残念ながら宇月 颯さんはバウホール公演の単独主演を務めることはできませんでした。
その後も地道に月組で主要キャスト、主要場面への出演を続けて「別格スター」としての道を歩きはじめます。
宇月 颯:退団理由はなぜ?いつ?人気ぶりに劇団も異例の措置!
このまま月組を支える実力派別格スターで活躍し続けるのかな、と思っていたとき、宇月 颯さんは退団を発表します。
入団15年目の時でした。
退団作品は2018年『カンパニー/BADDY』です。
特に『BADDY』は刺激的で斬新なショーで、いまだに宝塚ファンの中で「伝説のショー」に挙がるほどの人気公演でした。
そんな人気作品で退団できたことは、とても幸運なことだと思います。
上級生になった頃の宇月 颯さんは、ダンスだけでなく、歌も芝居も安心して任せられる実力を持っていました。
男役を追求しつづけて15年、自分なりに男役としてのゴールにたどり着いたと判断したのかもしれませんね。
そして最後の餞別代わりに、宇月 颯さん主演のダンスリサイタルも開催されました。
別格スターとして、これはかなり異例と言えます。
卒業記念公演が行われるのは、トップコンビや2番手クラスが通例です。
別箱公演での主演経験の無かった宇月 颯さん。
最後に初の主演作品を公演することができたのは、宇月 颯さんの実力と人気ゆえでしょうね。
宇月 颯の人気の理由や性格は?和希そら(現・雪組3番手スター)との熱い絆
宇月 颯さんが退団を発表された直後のことです。
宝塚の専門チャンネルで、当時宙組だった和希そら(かずき そら)さん(現・雪組3番手)が、宇月 颯さんについてお話しされていたことがありました。
和希そらさんは、初舞台が2010年の月組『スカーレット・ピンパーネル』でした。
その時に、和希そらさんが宇月 颯さんのお付きとして、身の回りのお手伝いをしていたというつながりがあります。
その後和希さんは宙組に配属。それ以来は組が別々だったので、あまり接点のなかった宇月 颯さんと和希さん。
それでも和希さんは「憧れのダンサー」として、宇月 颯さんの名前を挙げつづけていました。
そんな憧れの人、宇月 颯さんの退団日に、いてもたってもいられなくなった和希さんは、月組の楽屋を訪れたそう。
その時に宇月 颯さんは、和希さんの肩を抱きながら舞台人としての教えをたくさん授けてくれたといいます。
退団日はあわただしい一日。その日まで親切で熱心に教えを授けてくれる宇月 颯さんに、和希さんはいたく胸を打たれたようです。
宇月 颯さんとのこの思い出を話しながら、涙を流されていました。そんな見てきたこちらも、もらい泣きしてしまいました。
宇月 颯は結婚してる?事務所はドコ?現在や近況は?
宝塚を退団した後の宇月 颯さんは、割とすぐに舞台女優として始動しました。
所属事務所は「ジャンクション」で、多くの舞台俳優を抱えるプロダクションです。
ちなみに、ジャンクションには宇月 颯さんの憧れの人、瀬奈じゅんさんのご主人、千田真司(せんだ しんじ)さんも所属しています(^_^)
宝塚の座付き演出家だった荻田浩一先生も現在はジャンクション所属です。
荻田先生をカウントしなければ(笑)、宝塚OGで所属しているのは今のところ宇月 颯さんのみですね。
2018年に宝塚を退団されてから、今はすっかり綺麗なお姉さんになられて、愛猫の「ポテ」ちゃんと穏やかな日々を送られています。
ご結婚はまだのようです。今はお仕事に全力投球、というところでしょうか。
宇月 颯の出演舞台やテレビ出演は?『エリザベート』ルキーニ!
得意のダンスも含め、今もいろいろな舞台で活躍中の宇月 颯さん。
舞台俳優をバックアップする事務所ということで、メインのお仕事は映像ではなく舞台出演になります。
宇月 颯の主な出演舞台
- 2019年・2022年『笑う男』フィーヴィー役
- 2020年『Tabloid Revue「rumor〜オルレアンの噂〜」』
- 2020年『紅ゆずる1st CONCERT 紅-ing!!』
- 2021年『エリザベート スペシャル ガラ・コンサート』ルキーニ役
- 2022年『SAMBA NIGHT 2022』
このラインナップだけ見てもダンスがメインになる作品が多く、やはり今もダンサーとしての活躍が中心ですね!
2020年の『Tabloid Revue「rumor〜オルレアンの噂〜」』は同じ事務所の荻田浩一先生のショー作品で、宇月 颯さんはなんとセーラー服姿にも挑戦!
小さい劇場ながら、荻田ワールド全開のとても上質なショー作品でした。
元星組トップスターの紅ゆずる(くれない ゆずる)さんのコンサートへの出演もファンなら嬉しいところですよね。
『エリザベート スペシャル ガラ・コンサート』では新人公演で演じたルキーニ役で登場!
退団されて3年が経っていた頃でしたが、いつでも現役に戻れるほどの素晴らしい男役姿でした。
2022年の『SAMBA NIGHT2022』では、舞台ファンに大人気のDIAMOND☆DOGSとの共演が実現しました。
宝塚時代にスーパーダンサーでも、退団後はダンスをやめてしまうOGさんも少なくありません。
しかし宇月 颯さんは今も積極的に踊ることを追求されていて、ファンは本当に嬉しい限り。
これからもダンスを中心に、実力派の女優さんとして大活躍されていくでしょうね。
まとめ♪宇月颯:何期?本名や年齢、身長は?退団理由や結婚、瀬奈じゅんとの絆!
宇月颯さんは宝塚歌劇団90期生で、生年月日は1985年4月17日です。本名は石坂年美で、愛称は「とし」。身長は166cmで男役としては小柄ですが、ダンスはパワフルで伸びやかで、魅力的。
子供の頃にバレエスタジオの先輩で、後の雪組トップスター音月桂の初舞台を見て、宝塚受験を決意。月組に配属させると瀬奈じゅんさんに憧れ、ダンスを始め男役の多くのことを学びました。
初めての新人公演でダンサー憧れの役、『エリザベート』の黒天使に抜擢され、注目される。新人公演で主演を務めたが、実力派別格スター路線を歩むことになる。
宇月颯さんは入団15年目に「カンパニー/BADDY」で退団。特に「BADDY」は伝説のショーとして人気が高い。最後の餞別として異例の主演ダンスリサイタルも開催された。
宝塚退団後は女優として活動し、現在はプロダクション「ジャンクション」に所属しています。主な出演舞台には「笑う男」や「エリザベート スペシャル ガラ・コンサート」などがあります。
結婚はまだのようです。今はお仕事に全力投球、やはり今もダンサーとしての活躍が中心です!
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