宝塚を退団後も、全く変わらない若々しいビジュアルと、意欲的な活動で注目を集め続けている、瀬奈じゅん(せな じゅん)さん。
近年は、宝塚受験スクールを設立したり、特別養子縁組でお子さんを2人迎えて幸せいっぱいの子育ても話題です。
そんな「ステキなお母さん」な現在の姿とは180度違う、宝塚時代!
なんと「オレ様系」「オラオラ系」のカリスマ的人気を誇っていました。
瀬奈じゅんさんの、唯一無二の男役時代を振り返りつつ、現在の活躍も詳しくお届けします!
瀬奈じゅん:本名は?相手役は誰?芸名や愛称(あだ名)の由来は?年齢、身長は?退団はいつ?
瀬奈じゅんさんの本名は、千田(旧姓・土井)麻子さんといいます。
ダンサーの千田真司(せんだしんじ)さんとご結婚、お名前が変わりました。愛称はそのまま「あさこ」です。
瀬奈じゅんさんは1992年の雪組公演『この恋は雲の涯まで』が初舞台。その後、花組に配属されます。
2004年に月組へ2番手スターとして組替えし、83期の彩乃かなみ(あやの かなみ)さんを相手役に迎えて2005年にトップスター就任。
2009年『ラスト・プレイ/Heat on Beat!』にて退団します。
瀬奈じゅんさんの生年月日は1974年4月1日、身長は168センチ。
幼稚園の頃からバレエを習っていて、身長が伸びすぎたためにバレリーナの夢をシフトチェンジして、タカラジェンヌを目指すようになりました。
これは割と「男役さんあるある」ですね。
しかし、バレエ教室側はその決断に反対だったのだそう。
「麻子はバレエの才能を伸ばすべき!」と先生方は思っていたのでしょうか?
芸名の由来は、F1レーサーの「アイルトン・セナ」から。お父様がお好きだったようです。
「じゅん」のほうは、元タカラジェンヌの有明 淳(ありあけ じゅん)さんがお母様の高校時代の同級生だったそうなので、有明さんから頂いたのだと思います。
瀬奈じゅんは何期?同期は誰?
瀬奈じゅんさんは、宝塚歌劇団78期生になります。
同期生にはこんなメンバーが揃っています。
- 貴城けい(たかしろ けい)/元宙組トップスター
- 大空祐飛(おおぞら ゆうひ)/元宙組トップスター(現:大空ゆうひ)
- 檀れい(だん れい)/元月組・星組トップ娘役
芸能界で女優として一躍有名になった超美人女優、檀れいさんと同期生なのですね!
同期から3名ものトップスターが輩出されること自体、なかなかあることではありません。
瀬奈・貴城・大空のトップスター3人は、トップスター就任前に月組『飛鳥夕映え』で共演をしています。しかも、特別出演でトリプルキャストで役替わりというとんでもない無茶ぶり(笑)
その同じ苦労をしたせいか、在団中も退団後もとても仲がいいことで有名です。
2022年には、初舞台から30年を記念して3人でディナーショーを行ないました。MCでは『飛鳥夕映え』の時に、あまりの複雑さに出番がわからなくなったとぶっちゃけトークも。
中でも瀬奈じゅんさんと大空祐飛さんは、宝塚音楽学校時代に寮が同室だったそうです。
いつも大空さんが瀬奈じゅんさんを雑に起こして、2人は不機嫌になりつつも一緒に登校していたとか(笑)
瀬奈じゅんさんが月組でトップスターに就任した際にも、大空さんは瀬奈じゅんさんを月組メンバーとしてサポートしていました。
公私ともに、本当に縁の深い2人のようですね。
大空祐飛さんについては、こちらもご覧くださいね。
大空ゆうひ(おおぞらゆうひ)年齢は?宝塚何期?実家はお金持ち?相手役・野々すみ花との仲は?現在は?結婚してる?大空祐飛
瀬奈じゅんといえば、宝塚でエリザベート3役!
瀬奈じゅんさんの宝塚時代の一大トピックスと言えば、やはり「自称・エリザベート芸人」でしょうか!(笑)
ミュージカル『エリザベート』は日本で宝塚歌劇団が最初に輸入した作品です。
今や東宝ミュージカルでも大人気作となり、公演すれば必ず満員御礼になるほど。
しかし、いわゆる「版権モノ」であるため、人気だからといってそう頻繁に上演できる作品ではありません。
エリザベートに出演する機会に恵まれないまま退団…なんてタカラジェンヌは大勢います。
そんな中、瀬奈じゅんさんはなんと出演回数3回で、しかも主役のトート、ヒロインのエリザベート、2番手役のルキーニという主要3役を宝塚時代に経験!
これはきっと後にも先にも、瀬奈じゅんさんしか達成できない偉業でしょう。
『エリザベート』は超高難度の楽曲で物語のほとんどが構成されているため、歌の上手い人でもかなり苦しむといいます。
瀬奈じゅんさんは、ご本人も「歌が苦手」と言っていたほどなので、これは本当に相当な試練だったでしょう。
しかも、ヒロインのエリザベートは当然ながら娘役のキーで歌うので、それまでほとんど出したことのない裏声も多用します。
瀬奈じゅんさんの真骨頂である、男くさい役であるルキーニの時ですら「エリザベート地獄」と言っていたほどですので…
「エリザベート役をやってもらう」と聞かされた時は、ご本人がいちばん耳を疑ったでしょうね…(^^;)
瀬奈じゅん:歌唱力・ダンス・芝居の実力は?
「歌が苦手」と言っていた瀬奈じゅんさんですが、ダンスにおいては本当に素晴らしいセンスをお持ちでした。
幼少期からバレエを習っていた、という素養ももちろんあるでしょう。
しかし、そういうタカラジェンヌは大勢います。
その中で「名ダンサー」と呼ばれるほどになるには、やはり「突出した才能」が必要になります。
しかも、バレエ出身のダンサーは身体の重心を上のほうに置くので、動きの癖を見てすぐに「バレエの人だ」と分かります。
ヒップホップ系ダンスやロック系ダンスは重心を体の下のほうに置くので、むしろバレエの動き方とは真逆になります。
それなのに、瀬奈じゅんさんの重心の位置は、ダンスの種類によって自由自在。
長い脚をバーン!と開いて肩を大きく使い、男役特有の動きを徹底的に叩き込んでいました。
お芝居のほうは、下級生の頃は苦手意識があったようです。
しかし、ターニングポイントとなったのは2000年の花組公演『〜夢と孤独の果てに〜 ルートヴィヒII世』のオットー役ではないでしょうか。
当時のトップスターであった愛華みれ(あいか みれ)さんと1対1で迫真の演技をする見せ場があり、「芝居」に覚醒していったように思います。
その経験を糧に、『エリザベート』で主要3役を任されるほどの役者になっていたのでしょうね。
瀬奈じゅん:宝塚時代のエピソード!オサアサって?
瀬奈じゅんさんといえば、「人たらし」の側面もぜひご紹介しておきたい魅力です。
宝塚時代においては、「オサアサ」という単語が一躍有名になるほど、元花組トップスターである春野寿美礼(はるの すみれ)さんとは強い絆がありました。
「オサ」というのは、春野さんの愛称になります。
春野さんは瀬奈じゅんさんの1学年先輩になります。
2人は宝塚音楽学校時代の1年間プラス、花組で12年間も一緒に過ごしてきました。
瀬奈じゅんさん曰く、花組に配属になったときに優等生だった春野さんと再会し、「この人についていけば間違いない」と確信したとか(笑)
きっと人懐っこい顔で「まさちゃん、まさちゃん」(春野さんの本名が雅子さん)と、ついてまわっていたのでしょう(*´ω`*)
一般的に、1学年違いのタカラジェンヌ同士というのは、音楽学校時代に厳しい指導をする側・される側なので、意外と高い壁があるようです。
しかし、瀬奈じゅんさんは春野さんが実際に2歳年上なのに「まさちゃん」呼びにしてしまう人懐っこさ!
路線スターならではのしんどさもきっと2人は分かち合い、共に乗り越えてきたのでしょう。
春野さんが花組トップスターに就任した時も、瀬奈じゅんさんは2番手スターとして素晴らしいサポートを見せてくれました。
その後、瀬奈じゅんさんも月組でトップスターに就任。春野さんが退団直前に共演したイベント2007年「TCAスペシャル」ステージではなんと「オサアサタイム」が!
「銀橋に出て2人でフリートーク」というだけの、しかも予定時間を過ぎても話をやめないという、前代未聞のとんでもないコーナーでした(笑)
瀬奈じゅん:霧矢大夢、越乃リュウ、彩輝なお、彩乃かなみとの仲
「人たらし」である瀬奈じゅんさんは、春野さんの他にもたくさんのタカラジェンヌと強い絆をお持ちです。
入団14年目というベテラン期に組替えとなる、異例の人事を経験した瀬奈じゅんさん。
このまま花組で…とすっかり思っていたところに突然の組替え。
更に組替え早々にまさかのエリザベート役、ということでかなり追い込まれたことでしょう。
しかし、そこで当時の月組トップスターである彩輝なお(あやき なお)さん、3番手スターの霧矢大夢(きりや ひろむ)さん、のちに組長となる越乃リュウ(こしの りゅう)さんの絶大なサポートを得ます。
彩輝さんの穏やかで優しいお人柄、霧矢さんの圧倒的な実力の高さ、越乃さんの聡明さには本当に助けられたようです。
月組生となってからの瀬奈じゅんさんを支えたこの面々とは、退団して10年以上が経った今も深い交流が続いています。
このような強力なサポートを得られたことも、瀬奈じゅんさんのお人柄ゆえ、ということでしょうね。
また、唯一の相手役である彩乃かなみさんのことも非常に大切にしているようです。
彩乃さんと瀬奈さんはトップコンビに同時就任。しかし、彩乃さんは瀬奈さんより1年早く退団します。その後も瀬奈じゅんさんは「後妻」を迎えず、1年半「独身」のまま退団となりました。
次期トップスターに内定していた霧矢大夢さんには「嫁なしくん」とからかわれていたとも聞きますが(笑)、彩乃さん一筋、というところがまた素敵ですね!
トップコンビ時代から彩乃さんのことを「スーパー娘役」と呼び、お互いにとてもリスペクトしていました。
やっぱりファンとしても、宝塚時代の絆をずっと大切にしてくれることはとても嬉しいですよね。
彩乃さん・越乃さんとは、今もしょっちゅうオンラインお茶会を開催して、毎度大爆笑しています(笑)
瀬奈じゅん:結婚はいつ?特別養子縁組で夫と4人家族に!著書も出版
先ほどお伝えしたように、瀬奈じゅんさんはダンサーの千田真司さんと2012年にご結婚されています。
当時、瀬奈じゅんさんは38歳。なかなかお子さんに恵まれず、つらい不妊治療で「心身ともにボロボロだった」と仰っています。
そんな中、ご主人から「特別養子縁組という方法もある」という提案があったそうです。
「愛するこの人と私の子供に、出会ってみたい」という強い気持ちがあるからこそ、つらい不妊治療にも耐えていられる女性からすると、なかなかすぐには受け入れられなかったでしょう。
しかし、特別養子縁組について深く勉強したりセミナーに参加したりしていくうちに、気持ちが変わっていったそうです。
きっとご自身も最初は「養子…?」という思いがあったからこそ、今は特別養子縁組の知識と理解を広める活動に意欲的に参加しています。
瀬奈じゅんさんは2018年に男の子を迎え、2023年に女の子を迎え、正式に4人家族になりました。
特別養子縁組には、数か月にわたるかなり厳しい審査があるといいます。
きっと瀬奈じゅんさんの献身的な子育てが、2人目の養子縁組を認められることに繋がったのでしょうね。
不妊治療にもあまり協力的ではない男性も多いと聞く中、特別養子縁組は?と提案できる千田さんも、本当に素晴らしいですね!
不妊治療からお子さんとの出会い、生活をご夫婦でエッセイでつづって出版もしています。
瀬奈じゅん・千田真司著『ちいさな大きなたからもの』方丈社,2019.
興味のある方はぜひお読みくださいね。
瀬奈じゅん運営の受験スクールはどこ?
そして瀬奈じゅんさんは、2022年4月に宝塚受験スクール「Jeunesse (ジュネス)」を開校したことも話題を呼びました。
元タカラジェンヌによる宝塚受験スクールの運営はそれほど珍しいことではありません。
やはり、宝塚歌劇団がどういう人材を求めているか知り尽くしているのは、元タカラジェンヌに違いありません。
とはいえ、元トップスターが運営する受験スクールというのは現時点では瀬奈じゅんさんだけです。
元トップスターはやはり退団後も舞台出演で多忙になるため、スクールの運営まで手掛けるのは、スケジュール的に難しいでしょう。
しかも、「Jeunesse」では瀬奈じゅんさん自身もカウンセリングなどで受験生と直接関わります。
ダンスや声楽を教える講師陣もほとんどが元タカラジェンヌですし、その講師の中にはご主人の千田さんも!
それだけ豪華な講師陣ならレッスン費用もさぞかし…と思いきや、意外にも無理のない月謝のようですよ(笑)
ご自身の舞台や子育てで忙しい中、受験スクールの運営を始めたのも、ひとえに「宝塚を愛しているから」というお気持ちからのようです。
ご自身が持っている知識やノウハウを、タカラジェンヌを夢見る少女たちに託す。
それが未来の宝塚に繋がるなら…というお気持ちからの一念発起のようです。
特別養子縁組も、受験スクールの開校も、本当に素晴らしい行動力ですよね。
瀬奈じゅんの所属事務所や現在の舞台・ドラマ出演は?
2009年に宝塚を退団した瀬奈じゅんさんは、実力派ばかりが所属する東宝芸能に所属します。
トップスター多しと言えど、退団後に東宝芸能に所属できる元トップさんはひと握りです。
東宝芸能は阪急グループですので、宝塚歌劇団としても瀬奈じゅんさんなら引き続き活躍してくれると見込んだのでしょう。
元タカラジェンヌでは、他に一路真輝(いちろ まき)さん、朝夏まなと(あさか まなと)さんがいらっしゃいます。
瀬奈じゅんの主な出演舞台
- 2010年・2012年『エリザベート』エリザベート 役
- 2010年『アンナ・カレーニナ』アンナ・カレーニナ 役
- 2014年『シスター・アクト〜天使にラブ・ソングを〜』デロリス 役
- 2019年『細雪』三女・雪子 役
- 2019年『ラ・マンチャの男』アルドンザ 役
- 2022年『ヘアスプレー』ヴェルマ 役
さすが東宝芸能、大作揃いですね!
他にも、テレビドラマでは2018年『今日から俺は‼』で主人公のお母さん役を演じました。
顔が小さくて手足が長い、やたらスタイルのいい昭和のお母ちゃんとして話題になりました(笑)
舞台、ドラマ、受験スクール、子育て、特別養子縁組の講演会活動……これだけのタスクをよくこなされているものだ…と本当に驚いてしまいます!
他にも、コンサートやリモートお茶会なども行っていますので、「瀬奈じゅんはもう一人いるのだろうか……?」と思ってしまいます(笑)
ホームパーティーに彩乃さんや越乃さんを招いて、手料理でもてなすのもお好きなようですよ!
なんという女子力の高さ!!
憧れの女性として、母として、これからも更に輝いていかれる瀬奈じゅんさんから目が離せませんね。
まとめ:瀬奈じゅん(せなじゅん)元宝塚男役!何期?相手役は?子どもは養子?エリザベート3役!舞台やドラマ、スクール運営も!
瀬奈じゅんさんは宝塚歌劇団78期生で、貴城けい、大空祐飛、檀れいと同期です。瀬奈じゅんさんは2012年にダンサーの千田真司さんと結婚していて、現在の本名は千田麻子で、愛称は「あさこ」です。
瀬奈じゅんさんは2005年月組トップスターになり、相手役は彩乃かなみさんでした。退団は2009年です。宝塚版『エリザベート』で、ルキーニ、エリザベート、トートの3役を演じました。、自分でも歌が苦手と言っていて、特にエリザベート役は試練だったといいます。
瀬奈じゅんさんはダンスのセンスが素晴らしく、得意のバレエだけでなく、真逆のヒップホップやロック系のダンスもこなし、男役特有の動きを徹底的に叩き込んでいました。演技力も高く評価されていました。
また、瀬奈じゅんさんは宝塚時代に1期上の春野寿美礼(愛称:オサ)さんとのオサアサコンビでも知られています。二人は、宝塚音楽学校時代から花組で12年間一緒に過ごしました。
他にも、彩輝なおさん、霧矢大夢さん、越乃リュウさんとも深い交流を続けており、彩乃かなみさんとも特に大切な関係を築いています。
瀬奈さんは不妊治療の苦しみを経験しながらも、特別養子縁組について学び、活動に積極的に参加しています。瀬奈さんは厳しい審査にパスして2018年に男の子を、2023年に女の子を迎えます。
瀬奈さんは2022年に宝塚受験スクール「Jeunesse(ジュネス)」を開校しました。瀬奈さんは東宝芸能に所属し、退団後も舞台やドラマに出演しています。
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