日本青年館『ALL THAT ZZJA / ALL THAT ZZKA』行ってきました。
人気ジャズヴァイオリニストの寺田尚子カルテットと、元・トップスターOGのコラボ。
驚きのハイクオリティ!めちゃくちゃかっこよくてめちゃくちゃ楽しかったです。
感想『ALL THAT ZZJA / ALL THAT ZZKA』JAZZ✖️宝塚
企画は2020年に設立された(株)タカラヅカ・ライブ・ネクストで、企画・原案 寺井尚子さん、構成・演出 菅野こうめいさん。
出演は、メインが元トップスターの月組トップ真琴つばささん、宙組トップ姿月あさとさん、星組トップ湖月わたるさん、そして元・月組トップ娘役の風花舞さん、彩乃かなみさん。
姿月あさとさんは入団時配属が月組、湖月わたるさんも専科時代に月組に出演しているので、月組率高い(笑)
アンサンブルは、退団1年未満の実力派、元・星組の天寿光希さんと元・月組の晴音アキさんの実力派でした。
加えて、本物の(笑)男性ダンサー、加賀谷真聡さんと高橋伊久磨さん。
チラシのあまりのかっこよさに、見た瞬間「あ、これは行かなくちゃ」と思った公演でした。
とはいえOG公演にありがちな、それぞれ自分の持ち歌を歌って、宝塚のスタンダードナンバーをジャズ風にアレンジして、合間に宝塚時代のトークして終わりかな??
なんて思ってもいました。
そ・れ・が!!
全然、そんなレベルではなく、もう最初からガチ。
舞台も照明も凝ってて、高級クラブに迷い込んだようでした。
感想『ALL THAT ZZJA / ALL THAT ZZKA』OGの進化がとまらない
当たり前の話ですが、メインの現役の頃のピチピチ感はありません。でもその分、大人のかっこよさや色気がましていました。
やはり、退団後も第一線で活躍している人は違うな―というのが率直な感想。
天寿光希さんと晴音アキさんは、まだOGとしてホヤホヤなのでちょっと話はおいておいて。
やはりトップスターをやったかやらないかって大きいと思いました。
数十人からなる組を引っ張って、真ん中に立ち続けた場数が違う。
それにしても、退団してからもちゃんと歌や踊りに磨きをかけて、現役よりも上手くなっている姿を見るのは、本当にうれしいですね。
宝塚ファンであることを誇りに思いました。
感想『ALL THAT ZZJA / ALL THAT ZZKA』前半
幕開きは、湖月わたるさんのソロでFeverから。
か、か、かっこいい!元男役のイメージを崩さずにドレスっぽいパンツ姿です。現役タカラジェンヌ時代のことを考えると、お歌は期待できないのかなーなんて思っていた私が浅はかでした。
メイン5人が登場して、しっとりと「Strangers In The Night」。そして「It Don’t Mean A Thing」、これは私おさちゃん(春野寿美礼)さんのイメージが強いんですが、パワフルな5人のボイスを楽しみました。
落ち着いたところで、トーク。寺田さんに話を振る真琴つばささんですが、私が行ったときはちょっと段取りが違ったようで、ちょっと慌てた感じで真琴つばささんに近寄る湖月わたるさん。
話が終わらないと見るや、「こんなに素敵な演奏を聴かせてくださった皆さんを紹介していただきましょうよ~ん♪」と、真琴つばささんの腰に手をまわします。
なるほど!これが現場力!感服いたしました。
若手OG天寿光希さんと晴音アキさんが加わり、ALL That Jazz。Chicagoの凱旋公演ですね。ハットも使ってカッコイイ!
姿月あさとさん、ハスキーボイスに磨きがかかって(?)声が出にくいのかなと思いましたが、高音のファルセットが伸びる伸びる。輝いてました。
メインの元男役さんたちは極力肌を出さないお衣装なんですが、天寿光希さんは女子扱い(笑)細いけど筋肉ムキムキの二の腕でした。
それにしてもきれいなお姉さんになったなぁ。
若手OG二人は男性と踊るのは初めてなんですって。キャッ!
感想『ALL THAT ZZJA / ALL THAT ZZKA』後半
休憩なしで、どんどん進みます。「Anything Goes」は真琴つばささんと風花舞さんとで。唯一のトップコンビですね。
風花さんのパンチの効いた歌声にびっくり!!
風花さんはその後でスペイン風のドレスに着替えて、チックコリアの『スペイン』男性二人を従えたダンスを披露してくれたんですが、これも迫力の巧さ。
もう1人の娘役、彩乃かなみさんは5人の中では背も低いし、ちょっと老けちゃった?なんてちょっと思ったのですが、なかなかどうして。
スタンダードジャズを重量タップリで歌って、こちらも努力の積み重ねが見えました。もはや、「元タカラジェンヌ」「元娘役」じゃないんですよね。
ステージの前半後半で、みなさんそれぞれ衣装替え。どちらも黒と金を基調にしてカッコイイ。
舞台には、ジャズクラブ風の椅子とテーブル、そしてドリンクが出てきました。入れ代わり立ち代わり歌って「’S Wonderful」、「L-O-V-E」、と続き「Route66」は5人で五重唱。難しそう!
寺田尚子カルテットだけの演奏もあり、ベルばらアレンジも聴かせてくれました。これには元ジェンヌのみなさんも鳥肌もの。
「すみれの花咲くころ」のクールなジャズアレンジからのトーク、そして「TAKARAZUKA FOREVER」
宝塚の美しさとジャズのかっこよさのいいとこどりのステージでした。
感想『ALL THAT ZZJA / ALL THAT ZZKA』挨拶~アフタートーク
最後は舞台挨拶。それぞれがこの公演にかける思いと、楽しかった、お客様に感謝ということをご挨拶。
この公演はお稽古期間が3週間もあったそうです。みっちりお稽古したんでしょうね。
男性ダンサー2人も宝塚の男役になったつもりで頑張ったとのこと。悪目立ちせずきっちりいいお仕事をこなしていらっしゃいました。
感極まって、晴音アキちゃんが泣いてしまって、彩乃かなみさんが優しくなだめていました。
感動しますよねー。憧れのトップスターに囲まれて奮闘して。
と思ったら、真琴つばささんも感動して涙ぐんでいました。
私が行ったときは、アフタートークもあってラッキー。舞台上に上がったのは、寺井尚子、真琴つばさ、姿月あさと、湖月わたる、風花舞、彩乃かなみ、MCは天寿光希。
椅子が1つ多いと思ったら、寺田さんの傍らにバイオリンを置く椅子でした。片時も手放さないそうです。高い楽器ではないとおしゃってましたが200年を越えているそう。
天寿さんは足を開いて座る癖が抜けていない、と姿月あさとさんに鋭く指摘されていました(笑)
ジャズのナンバーのお稽古も大変だったけど、「すみれの花咲く頃」も「TAKARAZUKA FOREVER」も現役時代とは違うアレンジ、違うキーだったので、「お客様が思ってらっしゃるよりずっと難しかった」とのこと。
いやいや、わかりますってば。才能と根性のある方々が積み上げてのステージだということがひしひしと伝わってきました。
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