大湖せしる(だいご せしる)さんは元タカラジェンヌ。現在は、2.5次元舞台などで大活躍し、宝塚OGの新しい可能性を示しています。
妖艶で美しいお姿は、元宝塚とは思えない独自の魅力を放っています。そんな大湖せしるさんのいったい宝塚時代はどんなスターだったのでしょうか。
男役から娘役に転向した珍しい経歴を含め、詳しくご紹介していきます!
大湖せしるはハーフ?何期?同期は誰?年齢、本名、身長、芸名や愛称(あだ名)の由来は?
「大湖せしるさんはハーフなの?」という声もあるそうですね。
しかし、純粋な日本人だと思われます。
お顔立ちがくっきりしているので、そのように見えるのかもしれません。
大湖せしるさんは、2002年入団の宝塚歌劇団88期生です。
同期生にはトップスターが3人。
- 紅ゆずる(くれない ゆずる)/元星組トップスター
- 朝夏まなと(あさか まなと)/元宙組トップスター
- 桜乃彩音(さくらの あやね)/元花組トップ娘役
他にも、元雪組スターの鳳翔 大(ほうしょう だい)さんや元花組スターの春風弥里(はるかぜ みさと)さんがいらっしゃいます。
88期生は2023年退団の月組組長、光月るう(こうづき るう)さんが入団22年目で最後の退団者となります。長く在団した同期生がいるのは嬉しいことでしょうね。
大湖せしるさんの本名は竹内 沙耶香(たけうちさやか)さんです。
生年月日は1983年3月8日で、身長は166センチ。男役時代はきゃしゃな印象でした。
愛称は「せし」「せしこ」ですが、宝塚ファンは「せしネエ」「せしる姐さん」と呼んでいる人が多かったように思います(#^.^#)
大湖せしるという芸名の由来は、元星組トップスターの湖月わたる(こづき わたる)さんに憧れていたことから、湖の字をもらったそうです。
「せしる」という名前は受験スクールの先生の案だとか。覚えやすくて素敵な名前ですよね。
大湖せしるは男役から娘役へ異例の転向!
大湖せしるさんは、宝塚時代は少し異例の経歴をお持ちです。
それは、男役から娘役に転向しているということです。
「え?そういう生徒さんはたまにいるって聞くけど…」とお思いの人もいるでしょう。
確かにたまにそのような生徒さんはいますし、娘役に転向したのちにトップ娘役にまでなった生徒さんもいます。
- 紫城るい(しじょう るい)/元宙組トップ娘役
- 愛希れいか(まなき れいか)/元月組トップ娘役
大湖せしるさんが異例なのは、入団11年目で娘役に転向した、という点です。
娘役に転向する場合、私の記憶にある中では大湖せしるさん以外は全員、新人公演時代に転向を表明しています。
娘役はスター候補生として活躍できる期間が男役に比べて短く、入団3~4年目で頭角を現す必要があります。
つまり、早いうちに転向しておかないと「旬が過ぎてしまう」というわけです。
男役芸をしっかり身につけるには10年は必要、という意味の「男役10年」という言葉があります。
大湖せしるさんは11年間、しっかり男役を極めてから娘役に転向しているという非常に珍しいタイプの娘役さんというわけですね。
しかも、上級生になってからの娘役転向ですので、演じる役柄は「オトナの女性」限定になります。
学年的にも、これからトップ娘役に就任することは少し考えにくい。
大湖せしるさんは男役時代に新人公演主演を経験していますので、「路線スター」として活躍していました。
ファンの方々ももちろん「男役・大湖せしる」を応援しているわけですし、「トップスターになってほしい」という夢は抱いています。
そんな皆さんの気持ちを考えるとかなりの覚悟が必要だったそうです。
しかし、「ファンが誰もいなくなっても仕方ない」という覚悟で転向を発表。
結果的には、「男役でも女役でも、せしるさんはせしるさん」というファンの方が多くついてくれたそうです。
大湖せしるの宝塚時代の代表作は?
女役のことを「娘役」と呼ぶように、宝塚では若い女性の役が多く登場します。
しかし、大湖せしるさんの場合は学年的に考えて、フレッシュで初々しい女性役というのは少し違います。
もちろん、宝塚にも若い女性ではない役はあります。ですが、スター候補生だった大湖せしるさんが誰かのお母さん役や年配の女性の役でもいけません。
正直なところ、当時の宝塚ファンの中では「役付き、どうするんだろう…?」という心配がありました。
しかし、当時の雪組はトップスターの早霧せいなさんを筆頭に、アニメや映画作品の舞台化が非常に似合うスター分布になっていました。ここに大湖せしるさんが見事にハマったのですね(^_-)-☆
中でも、「これはせしる姐さん以外に誰もできない!」というほどの代表作はこちら。
- 『ルパン三世 -王妃の首飾りを追え!‐』峰 不二子(みね ふじこ) 役
- 『るろうに剣心』高荷 恵(たかにめぐみ) 役
清く正しい宝塚娘役の中で、峰不二子を演じることができる人はまさに大湖せしるさんだけ!
気品を保ちつつ、ダイナミックでお色気たっぷりな峰不二子は本当にお見事でした。
また、大湖せしるさんの退団公演となった『るろうに剣心』の高荷 恵も、どことなくミステリアスな聡明美女という役。
大湖せしるさんの真骨頂を見せつけた、華々しい退団公演となりました。
「退団公演に良作無し」と言われてしまうことが多い宝塚。
そんな中でも、大湖せしるさんは最も輝ける作品で宝塚を卒業でき、有終の美を飾ることができました。
大湖せしるの退団はいつ?理由はなぜ?
上級生になってから娘役に転向するという、オドロキの進路を選んだ大湖せしるさん。
先ほどお伝えしたように、退団作品は2016年『るろうに剣心』でした。
退団を決めた理由は、「次回作は『るろうに剣心』です」という発表を聞いて「今だ!」といきなり思いついたんだそうです!
「退団作品は一本モノがいいな」という思いは漠然と抱いていて、まさに『るろうに剣心』は一本モノ。
そして着物がお好きということもあり、「辞めるならこの作品!」とピンと来たのかもしれませんね。
「そろそろ退団を……。」と劇団に話したことももちろん無かったので、雪組プロデューサーは仰天したそうです(笑)
「2~3日考えてください」とプロデューサーから言われたそうですが、気持ちは全く変わらなかったとか。
どうやら大湖せしるさんは直感型のようですね。
ご家族にも全部事後報告だったそうなので、ご家族も相当驚かれたでしょうね(^^;)
でもこのままずっと続けても「オトナの女性役」が毎回必ずあるとは限りませんし、高荷 恵という役柄もピッタリで、完璧なタイミングだったように思います。
大湖せしる:歌・ダンス・芝居・日本舞踊の実力は?
宝塚時代も退団後も、独自の魅力を放っている大湖せしるさん。
それはきっと、男役を極めてから女性としての魅力を積み重ねていった、大湖せしるさん独自のルーツがあるからのように思います。
シンガーとかダンサーであったというよりは、個性を突き詰めているタイプのようにお見受けします。
特に、ご本人も「和モノで退団したかった」と言っているように、お着物はとてもお好きなようです。
その着こなしのなせる業で、宝塚時代も現在もお着物を着る作品では本当にその美しさが映えます。
「妖艶な美女はお任せ!」という強みがひとつある上に、歌もダンスも芝居もほころびが無いというのは、今もオファーが絶えない理由だと思いますね。
日舞のほうは、特に名取であるとか力を入れてお稽古しているというわけではないようです。
それでも、「和モノの雪組」一筋で舞台に立ってきたおかげで、和モノの所作は完璧です。
着物姿が美しい、それだけでも舞台人として大きな強みと言えますね。
大湖せしるは結婚してる?事務所はどこ?現在は2.5次元ミュージカルで活躍!舞台やテレビの出演作は?
大湖せしるさんは、宝塚退団後すぐに舞台復帰をされて、年に何本もの作品に出演されています。
所属事務所は、PKPになります。
宝塚OGは大湖せしるさんの他に、元雪組娘役の星南のぞみ(せいな のぞみ)さんがいらっしゃいます。
PKPはアニメ制作も行っている会社なので、大湖せしるさんに2.5次元ミュージカルオファーがたくさん来るのも事務所のバックアップが強いのかもしれません。
大湖せしるさんが出演してきた主な舞台作品はこちらです。
大湖せしるの主な出演舞台作品
- 2016年『グレート・ギャツビー』ジョーダン・ベイカー 役
- 2017年・2019年『NARUTO-ナルト-〜暁の調べ〜』 綱手 役
- 2018年・2019年『戦国BASARA』 京極マリア 役
- 2020年『朗読劇 ドラゴン桜』井野真々子 役
- 2020年『憂国のモリアーティ』 アイリーン・アドラー 役
- 2021年『憂国のモリアーティ』ジェームズ・ボンド 役
2021年の『憂国のモリアーティ』ジェームス・ボンド役は、前年に演じたアイリーン・アドラーが男装した役です。
元男役である大湖せしるさんにピッタリの配役ですよね。
今や不動の人気を誇る2.5次元舞台ですが、やはりそこには「原作ファンの夢を裏切ってはいけない」という大きな壁があります。
退団後、大湖せしるさんがこれだけ2.5次元舞台のオファーを受け続けているというのは、その評価の高さの証拠ですよね。
テレビ出演は今のところされていないようです。
美しさにこれだけの定評がある大湖せしるさんなので、いずれ映像畑からもオファーがありそうな気がします。
気になるご結婚は、まだのようです。
宝塚OGが2.5次元舞台と親和性が高いことを示した第一人者、大湖せしるさん。
まだしばらくは舞台に全力投球で、アニメ界や声優界からもファンをどんどん増やしていきそうです。
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