シアターオーブでキンキーブーツ2025年版を見てきました。
心ゆさぶられる素晴らしい舞台でした。
今回のメインキャストは、ローラ(松下優也) チャーリー(東啓介) ローレン( 田村芽実)。さっそく感想を!
感想キンキーブーツ2025:東チャーリがでかい!
全然チケットが取れず、ダメもとで生協で申し込んで当たった奇跡の一枚を握りしめていきましたよ。
会場つくなり熱気が。リピータ率高そう。RREEEEEED!赤いお洋服の方も多いのねー。開幕早々グッズも売り切れ続出だそうです。
キンキーブーツというと、私は小池徹平のイメージが強すぎるので、初めてチャーリ―を見たときは、「でか!!」と思いました。何でしょう、最初の服が似合ってないから?
うわー、でかー、顔小さすぎー。
でも後半になると目が慣れてきたのか衣装が合ってるのか(たぶん前者でしょう)、すらっと背の高いカッコイイお兄さんでした。
婚約者の言う通りに一緒に夢を描いているぼんやりしたボンボンが、経営者としての自覚に芽生えていく。
そのあたりの表情の変わり方とか。
決してワンマンではないのに張り切っていろいろやろうとするとどんどんぎくしゃくしてくるあたり、指名感があるがゆえのやさしい人であるがゆえの葛藤が伝わってきて切ない。
誰かのためってみんなのためって信じてるのに、全然その人たちのことを受け入れず、一人空回りしている焦り、どうしていいのかわからない落胆ぶり。
うう、可哀そう。
ローラに最後の電話をするときの憑き物がおちたような穏やかな表情。
人物造形がいいなーと思いました。
そして、ミラノのショーの場面!足ながっ!このブーツの長さは迫力満点。かっこわるさをかっこいいに変える最強アイテムですね。
それにしても二コラ(熊谷彩春)。なんであんな目にあうのかーーー。二コラは何も間違っていないのに。二コラには幸せになってもらいたい。
熊谷彩春ちゃんもうっまー。
感想キンキーブーツ2025:ローラ(松下優也)が全部持っていく!
そして、満を持して登場するローラ。
カッコイイ!ドラァグクイーンにほこりを持って自信満々、そして女子に優しい。ほんと優しいの。相手に対する温かみを感じる。きっとみんなすぐにローラが好きになると思う。
しかも無理なくきれいよ。
さらにダンスも歌も上手い!上手すぎる!
上手いだろうなとは思ってたけど、一挙手一投足がもう演技じゃない。
比べることに意味はないけど、三浦春馬さんのローラは「三浦春馬ががんばってる」感があったんだけど、松下ローラは、ただ、ローラ。
中の人がどうとか意識がいかないほど、ローラ。
ドラァグクイーンとして自信満々に振る舞っているようで、実は心の中に小さなサイモンがずっといるローラ。
ローラの独白シーンはないけど、他の人たちとのちょっとした会話の中にそれが垣間見える。
デザイナーとして靴工場に出勤するときも、男の格好で足を踏み入れてみたものの、トイレから出られなくなってしまう。触れたら折れてしまいそうなはかなげな感じ。
すごいぜ松下優也。
老人ホームに慰問に行って歌う「Hold Me in Your Heart」
圧倒的な歌唱力と、その裏にある深い悲しみと、目の前にいる自分を勘当したお父さんへのまなざし。
泣ける。
なかなか拍手が鳴りやみませんでした。ショーストッパー??と思ったけど、そこは日本のお客さん、頃合いを見計らっています。
感想キンキーブーツ2025:ローラとチャーリーのバディ感!
ローラとチャーリーは、偶然の出会いからビジネスパートナーとしてはじまり軋轢を経て真の友情へと進んでいくんだけど、その時その時の二人の心の動きがもう切なすぎてたまらんでした。
結末はわかってるのにひりつく心。
ローラが父との葛藤をチャーリーに吐露するシーン。
絞り出すような切ない歌声の「Not My Father’s Son」
歌っているうちに、きれいな大粒の涙が松下ローラの目からあふれてくるんだけど、それを見つめている東チャーリーにもいつしか涙が頬を伝っていて。
それを、さささっと手で拭ったのはチャーリー、いや、泣いてちゃ歌えんと段取りを踏まえた東さんだったのかも。
でももし素だとしても、このシーンにも心揺さぶられている東チャーリーにも、心を揺さぶられました。
チャーリーとローラの二重唱からの意気投合、ローラとチャーリーは近づけば近づくほどお互いの相いれなさが際立ってくる。
この行き違いが切なければ切ないほど、最後のミラノのショーの場面でローラとエンジェルスの登場が際立つのだけど。
救い主ローラ登場。キラキラのローラ、なれないブーツで歩くのもままならないチャーリーがいつの間にかしっかりステップを踏めるようになっている。
ショーは成功したけど、ブーツが売れるとは限らないのよね。
感想キンキーブーツ2025:ローレン(田村芽実)にゾッコン!
ローレンは われらが田村芽実ちゃん。2024年初夏に和希そらさんと共演したSIX(シックス)で、ヘンリー8世の2番目の王妃アン・ブーリンを好演、ていうか怪演。
ちょっとおバカキャラで変顔ありのぶっとんだ演技に、私はいっぺんに魅了されたのでした。
正直、元ハロー!プロジェクトのアイドルと聞いた時は、「アイドルに務まるの??」と思っていた私は愚かでした、はい。
2016年にハロプロ卒業時にミュージカル女優を目指すことを宣言してたんですね。その言葉通り立派なミュージカル女優、ミュージカルスターとして大活躍している現在に胸アツ。
今回の靴工場の女子工員ローレン役も、代表作のひとつになるのでは?と思います。
ローレンのソロ曲「The History of Wrong Guys」は、コメディタッチとはいえ、ややり過ぎ??と思うかもしれないけど、それがいい。素っ頓狂なのにリアル。
歌を歌ってる感じがないのもいい。
チャーリーは社長の息子、しかも幼なじみ。そして自分は田舎の閉塞感すら慣れっこになってて天と地ほどに住む世界が違うとずっと思っていた相手に急に恋心を抱いて戸惑うローレン。
頭よくないし田舎娘だけど精一杯努力するし、みんなのことも思いやってる。
田村芽実ちゃんは、ちょっとおバカそうなキャラをを演じさせたら右に出るものはいないでしょうね。
舌足らずにセリフを言っているようで、実は滑舌がよくて聞き取りやすいし、歌もダンスも上手い。唯一無二のミュージカル女優だと思います。
感想キンキーブーツ2025:アンサンブルの層の厚み!聖司朗さんに注目!
そして、舞台を盛り上げるアンサンブルの皆さん。歌もダンスもレベル高い!
大きく分けて、ドラァグクイーンのエンジェルスと、靴工場の工員さん達。
エンジェルスはピンヒールでアクロバティックなダンスを次々と。私はもうペタンコ靴しか履いてないので、その靴で大股に歩けるだけで尊敬します。
しかもちゃんと皮下脂肪もついていて女性らしい肉体も感じさせるのですよ。ボディメイキングっていろいろあるんでしょうね。
エンジェルス、美女タイプから可愛いタイプ、コケティッシュなタイプまでずらり揃ってて、みんな楽しそう。いいないいな。
工員チームも個性的な面々が揃っています。
なかでも私が注目したのは、リチャード・ベイリー役の聖司朗さん。
リチャードは二コラと共に登場する黒づくめのスーツ姿のビジネスマンで、セリフもある役。なんですが、2回ほどしか登場シーンがなくて、ほとんどが工員の役でノースリーブを着ていることが多いです。筋肉もきれい。
群舞になるとダンスのレベルの高さが際立ちます。ビリー・エリオットにも炭鉱夫のアンサンブルで出演していました。めだちますね。これからの活躍が楽しみです。
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