ベルばら50見てまいりました。
東京建物ブリリアホール2024年6月3日(月)12時の回。初演にあこがれて宝塚に入った第2世代中心の、平成の『ベルサイユのばら』です。
NHK提供の初演の映像を楽しんだ後、レジェンドの域に達している方々の歌とトークを交えて、平成後期メンバーでダイジェスト版。いやぁ、すばらしかった。いいものを見せていただきました。
さっそく感想を述べてまいります。
ベルばら50感想MCは未沙のえるさん!からのレジェンド映像
宝塚のOG公演ってなんか勇気をもらえるのですよね。
元トップスター達は優遇されるけど、正直言って劣化しちゃう人もいるし、アンサンブルの人たちが、ぐんぐん実力を伸ばしていって在団中よりも、いい場面を与えられたりして。
そういうところも見ていて刺激的です。今度はどんなワクワクを与えていただけるのか??
幕が上がると、メルシー伯の扮装で未沙のえるさんがMCで登場。汝鳥伶さんはご都合により降板で代わりに。
ハードカバーの豪華公演プログラムには、未沙のえるさんのページが別刷りで挟み込まれていました。
もはやメルシー伯が未沙のえるさんか、未沙のえるさんがメルシー伯か、という貫禄です。久々にお姿を拝見できて私もうれしいです。
まずは初演映像の上映タイム。私が子供のころにお茶の間のテレビで見たNHK映像ですよ。歴代のオスカル、アンドレ、フェルゼン、アントワネットが勢ぞろいです。
初風淳さま、榛名由梨さま、安奈淳さま、麻美れいさま、順みつきさま、松あきらさまなどなど。はぁ~ため息。などなど。
それにしても、初演の方々ってお顔が大きいですよね。今よりスタイルは悪いけど、さすがレジェンド、なにより気品があって尊い感じです。
その中にあって鳳蘭さま。お顔も大きいけど目も口も大きい。そしてスタイルがいい!
ああ、映像が残っていてよかった。NHKありがとう。
ベルばら50感想:オープニングからキラキラにやられる
それにしても、ずっと数珠つなぎに先輩後輩関係にある元タカラジェンヌ。スターの皆さんにもそれぞれ憧れのスターさんがいるわけですよ。
タイミングよくあこがれのレジェンドと共演できちゃうこともあるわけで、ましてや今回はベルばら。ずーーっとベルばら。一番美味しいのは全公演出演のアンサンブルメンバーの皆様では??
きっと舞い上がっちゃうだろうなーなんて自分もドキドキしたりしていました。
幕が開くと、舞台装置もキラッキラ!
キャンドルを手にした小公女たちの「ごらんなさい♪ごらんなさい♪」宝塚の公演だと最若手のお薬ですが、さすがOG公演に呼ばれる方々だけあって上手! そして歌詞が聞き取りやすい!
メイクも表現も美しい。そこに、沙月愛奈姐さんとか、笙乃茅桜さんが、ひときわ愛らしいあどけない表情をして並んでいたりするわけで、もったいない!とひれ伏す気持ちです。
その後、軍服の男役の群舞になります。朱紫令真さんのような退団して間もない人から真波そらさんのような10年選手まで、みなさん普段女性をやっているとは思えない堂に入った男役ダンスです。
留依まきせさんがオラオラしていたのがワタクシ個人的には嬉しい。
スターポジションは、緒月遠麻さん、愛月ひかるさん、彩凪翔さん。特別出演の現役タカラジェンヌは、89期の凪七瑠海さんと水美舞斗さん。
専科のお2人は、なんでしょうね、現役ならではのオーラ。やはり大舞台でスポットに照らされなれているからでしょうか。
ベルばら50感想:トーク&ソング麻路さき安寿ミラ紫苑ゆう日向薫
さて、ソロ歌&トークタイム第一弾。
麻路さきさん、安寿ミラさん、紫苑ゆうさん、日向薫さん、と歌い継ぎ、トークという段取りだったんですが、紫苑ゆうさんが歌いおわると大拍手と大歓声。
何々?と思ったら、紫苑ゆうさんの同期の方々が1階前方センターでグループ観劇していらっしゃいました。なんと24名。
なんか開演前に妙ににぎやかだと思ってたんですよね。
紫苑ゆうさんはうれしくて袖に引っ込むやいなや泣いちゃったんですって。
同期愛ってすごいですねー。
ほかにも客席にはちらほらとOGの方々がいたようです。
紫苑ゆうさんは、いつもは「宝塚音楽学校の渡辺先生」ですが、OG公演の力のはいりっぷりがいつも素晴らしい。
自前のキラキラのお衣装、今回は金銀の糸で豪華に刺繍してあるの薄紫のロングのジャケットで、髪色は金。お姿を堪能しました。
麻路さんは黒いブラウスに黒いパンツのシンプルな装い。
安寿ミラさんは黒いパンツにオスカルっぽい白いブラウス。腰から後ろにひらひらと白いドレープの尻尾のようなものをつけていました。
今は振り付けのANJU先生の舞台姿を見るのは久々で嬉しい。
日向薫さんは上品な話し方も変わらず。ソバージュっぽいロングの髪型で、服装もいつものロングスカートで、いつも女優・日向薫さんでした。
もうちょっとベルばらっぽくしてもいいのにと思いました。
ベルばら50感想:トーク&ソング湖月わたる朝海ひかる水夏希
お次は、水夏希さん、朝海ひかるさん、湖月わたるさんの順でソロ歌。
水夏希さん、相変わらずお美しく、まったく年齢を感じさせません。つやっつやのぴっかぴか。緑色の透ける素材のセットアップがよくお似合いです。
朝海ひかるさんはご結婚して幸せ太りなのか?ちょっと丸くなってましたが相変わらずキュートで、お衣装もふわふわっとした感じの白いロングの羽織もの。
わたるさんは相変わらずスタイルが良くて、お歌も変わらずでした(^_-)-☆スカートのように後ろにひらひらのオーガンジーがついたお衣装が定番なんでしょう。
わたるさんといえばフェルゼンのイメージが強いですが、水さんはベルばらで経験した役がとにかく多い。朝海ひかるさんはオスカルが当たり役。
2006年雪組ベルばら公演ではオスカル役で、特別出演のアンドレが役替わりでわたるさん、水さんと登場したのでその思い出話など。
頭の回転の速い3人のトークも冴えていました。とにかく3人ともスーパーダンサーなので、盛り上がる盛り上がる。
わたるさんがフェルゼンとオスカルの小雨降る径のダンスについて、「コムちゃんとはあの振りがツボ」「ちかちゃんとはこの振りがツボ」と、実演入り。
水さんも「この振りのクイッってとこが」とやって見せると、お2人ともそうそうそう!と大盛り上がり。
出演者にしかわからない深ーい思いも聞けて、尊い時間でした。
ベルばら50感想ダイジェスト版前半
そしていよいよダイジェスト版ですよ。主要キャストは以下の方々(敬称略)です。
アンドレ:七海ひろき、オスカル:凰稀かなめ、アラン:彩凪翔、ジェローデル:愛月ひかる、フェルゼン:和央ようか、アントワネット:星奈優里。アンサンブルメンバーから、ベルナール:蓮城まこと、ロザリー:晴音アキ、ブイエ将軍:光月るう etc
人数が少ないので、お衣装替えとか大変そう。さっきまで衛兵隊で荒くれていた光月るうさんがブイエ将軍だったり、可憐な小公女たちがパリのおかみさんたちになっていたり。
美貌のトップスターだった凰稀かなめさん、ちょっと太った?顔が丸くなってちょっとおばちゃんぽくなってました。場面が進むにつれて見慣れてくるんですが、ちょっとショック。
七海ひろきさんのアンドレは包容力とやさしさでできていました。深みのある声で思慮深く、アースカラーのメイクもとてもかっこいい。
お兄様度が上がってる!!ダイジェスト版はワタクシのきらいな毒入りワイン場面がないので、ただただ素敵。惚れ直しました。
アランとジェローデルは現役タカラジェンヌといっても違和感なし。
アランとベルナールは雪組出身なので、バスティーユの場面はなんとなく凰稀かなめさんも雪組っぽくなり、橋のシーンはアンドレとジェローデルが宙組出身なので、宙組トップスターっぽくなるのが面白かったです。
あとから紫苑ゆうさんがお話ししてましたが、「シトワイヤンゆ~こう~!!」から「フランス……ばん、ざい」までは音楽学校の予科の授業でやるんですって。
だから下級生まで、みんなうまいんですね。今は、娘役志望の予科生もオスカル役を演習するそうです。宝塚歌劇団を貫くベルサイユのばら。
ベルばら50感想ダイジェスト版後半:和央ようか、星奈優里そして晴音アキの好演
そしてそして和央ようかさんのフェルゼン!
地毛ですって?ヘアメイクはChiharuさんが丸っと見ているそうですが、美しすぎます。スレンダーな体型は変わってないし、ほうれい線もなくてお肌の張りもすばらしい。
もしかして小鼻小さくしました??セレブ夫人だし、お金かかってますって感じでした。
相手役が花總まりさんではないのがちょっと残念な気もしますが、それはまあ大人の事情で……。アントワネットは星奈優里さんの上品で可憐で落ち着いた雰囲気がとても素敵。
王妃らしく成長したことが伝わってくる気高さがありました。セリフにしんみりしみじみ。
処刑台に向かう前にメルシー伯が人形のステファンを返しに来て、さらに、フェルゼンが助けにやってくる。そのどちらにもアントワネットは相手の立場を思いやるところが涙を誘います。
アントワネットヘの脱出への必死の説得と、断頭台へ向かわせてしまった絶望に打ちひしがれるフェルゼン。涙で歌声を詰まらせて大熱演でした。でもお顔は美しい。
牢獄のシーンは、なんといってもロザリー。
バスティーユの場面もですが、可憐だしうまいしとてもよかった。ロザリーの優しさがアントワネットのおかれる立場の痛ましさを際立たせています。
在団中だと晴音アキさんには、なかなかロザリー役は回ってこなかっただろうから、OG公演で見られてよかったです。
ベルばら50感想フィナーレ華やか~これぞベルばら
赤いお衣装で彩凪翔さんと愛月ひかるさんが腰に手を回しあって板付きで登場。エモい。
まわりも赤いお衣装の男役群舞。オラオラしててかっこええー。
次は、白いお衣装の紫苑ゆうさんを中心に、緒月遠麻、七海ひろき、凪七瑠海、水美舞斗さんが優雅に踊る。水美舞斗さん、すごいダンサーだとは思っていたけど、こういうゆったりした動きでうまさが際立つ。
顔から指先まで表情ゆたか。前方席だったのでその繊細さがよくわかりました。
バラのタンゴは凰稀かなめさん。男役を引き連れてご機嫌なおねえさんでした。
続くボレロは、湖月わたるさんと星奈優里さんのダンサーコンビ。
星奈優里さんがしゃがむ動きでちょっとぐらついたけど、圧巻。スピード感も呼吸もリフトも危なげなく。赤いペアのお衣装もよく映えていて、大喝采でした。
オマージュの歌手は安寿ミラさん。ベルばら始まって以来の物故者を投影しながら紹介し『宝塚 我が心のふるさと』を独唱。その後、男役黒燕尾でオマージのダンス。
階段上は学年順のようでした。留依まきせさんもバリバリ踊っているのをうれしく見ました。この公演に向けて髪を短く切った方が多かったようですね。
舞城のどかさんがダンスの目立つ場面にいたのに、どの場面だったか忘れた涙
エトワールは花束ゆめさん。高音ののびやかな声が素晴らしかったです。会場静まり返って聞きほれました。彼女は現役のタカラジェンヌ時代にエトワールの伝統ってなかったですよね。最後は、コスチュームに戻って華やかなパレード。
長の日向薫さんに促されて紫苑ゆうさんも恐縮しながら一言あり。同期の話じゃなくて宝塚のベルばらはこれからも続く!というお話でした。
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