感想ダンスカンタービレVIOLET彩凪翔・中塚 皓平@博品館劇場(あやなぎしょう・なかつかこうへい)

彩凪翔・中塚 皓平主演、ダンスカンタービレVIOLET観てまいりました。
VIOLET(ばいおれっと)はすみれ色=宝塚、カンタービレは「歌うように」という音楽用語。

休憩なしで90分踊りっぱなし。こちらはつぎつぎと繰り広げられる迫力あるダンスにしびれっぱなしでしたー。

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感想ダンスカンタービレVIOLETとはどんな話?

その名の通り、セリフはほとんどなくダンスばかり(ときどき歌)で構成された舞台。

戦国時代の武将、信長にわれらが彩凪翔さん、光秀に宝塚大好き自らを組子と呼ぶ中塚 皓平さん。この二人が戦って光秀が降伏するところから話が始まります。

武将二人が出会い、心を通わせ、やがて行き違いから悲劇的な結末を迎え……そして転生??というストーリー。

彩凪翔さんは赤を基調としたお衣装で、武将というよりは男装の麗人ぽくもあります。つねに眉間にしわをよせたような表情で、美しい。

降伏した光秀から花を贈られて生娘のように頬を赤らめるなど、ちょっとここがBL風味でいいのですわ。

しかし、信長には愛する妻・濃姫がいて、この濃姫がめちゃくちゃこわい。濃姫にかかると彩凪翔さんのほうが姫っぽく見えるww

濃姫は光秀に対抗意識を燃やして、手下(武将たち?)を従えてよってたかって光秀をボコボコにしてしまう。

さんざん痛めつけられた光秀は、やがて怒りとともに信長に刃を向け信長もそれを受け入れる。光秀は信長の遺骸を抱きしめるが何をしても動くことはない……からのなぜか転生ハッピーエンドです。

その後はかっこいいダンスナンバーが続き、元娘役も元男役も関係なくバリバリと踊ります。

会場の冷房の効きの強さと反比例するように、舞台上は汗が吹き出していました。

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感想ダンスカンタービレVIOLET:出演者は誰?

今回の出演者は宝塚OGが彩凪 翔さんら8名。

元男役が泉まいら、留依まきせ。元娘役が有栖妃華、音波みのり、沙弥音、白峰ゆり(五十音順)

ダンサーは中塚皓平さんと女性ダンサーの篠本りのさんと松本ユキ子さん。

OGは現役時代ダンスが上手い人達ばかりなんですが、やはりプロのダンサーはぜんぜん動きが違いました~。

宝塚OGとダンサーが混じってパフォーマンスする時は、女性ダンサーのお2人は妖精や狂言回しのような役割なんですが、重力を感じないこの世のものじゃない感。

そして、ダンサーだけのシーンはスピードも半端ない迫力がある伸びやかな動き。

きゃー。すごい。

信長光秀以外に役名があるのは信長の妻・濃姫で、元・雪組の有栖妃華さん(102期)。退団後に慶応大学SFCに入学した才媛。

すごく残忍な笑顔でカラカラと笑って見せては、信長の前ではコケティッシュで献身的な妻。

積極的に信長を(たぶん寝所に)いざなうなど、おおーアリスちゃんがこの役を!!という感慨深い感じです。

有栖妃華さんは歌も担当していて、もう1人の歌担当は、沙弥音(さやね)さん。

すごく若い。見おぼえあるけど、誰だろう?と思ったら、元・花組の愛蘭みこ(あいらみこ)ちゃんでしたー。

確かに新人公演でも歌ウマな役ばかりでした。元気でなにより。

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感想ダンスカンタービレVIOLET: 留依まきせ がカッコよすぎる!泉まいらも表情豊か!白峰ゆりの男役度!

この公演、とにかく留依まきせさんが、カッコよすぎます。

宝塚時代から熱いバイブスを感じるダンスと歌、そして特徴的な声の持ち主でしたが、今回はダンスだけで勝負。

留依まきせさんのダンスは、しなやかで伸びがいいし、緩急のテンポ感がいいし、細部まで行き届いた間合いが心地よいのですよね。

仲良しの和希そらさんと通じるものがあります。退団後、さらに表現力が増している気がしました。

身体の大きな留依まきせさんが長いポニーテールを振り回して、所狭しと(実際、博品館のステージだから狭い(笑)踊りまくる。

相対的に彩凪翔さんが高貴な姫/殿っぽく見えてよかったです。
わたくし途中から、留依まきせさんばかり目で追ってしまいました(^^;

もう1人男役出身の、泉まいらさん(100期)。2024年に退団したばかり。

宝塚時代はやや渋め役をやることが多かった彼女ですが、はっちゃけたキャラで表情豊かなダンスをしていました。

満面の笑みで舞台を楽しんでいる感じで、見ているこちらも幸せでした。

そして美貌の白峰ゆりさん(95期)。今回は男役出身者が少ないので、元娘役の彼女も男役として踊るシーンがいくつか。

男役にひけをとらない、切れと迫力のあるダンスで、びっくり。

宝塚の枠にとらわれないパフォーマンスで、宝塚現役時代には見られなかった姿が見られるのは、OG公演の大きな楽しみですよね。

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感想ダンスカンタービレVIOLET:音波みのり所作の美しさに白峰ゆりの男役度

今回、宝塚OGの中では最年長(最上級生)にあたるのが、音波みのり(おとはみのり)さん。91期なので彩凪翔さんより2期上です。

音波みのりさんは新人公演や外箱公演のヒロインを数々務めたあと、別格娘役として活躍。

芯の強さを感じる娘役のお手本のような方でしたが、退団後も変わらず美しい所作でした。

ひとつひとつの動きが丁寧で美しくピタっと決まるのですよね。

宝塚OGだけのダンスシーンの時は、宝塚度が増すんですが、これも音波みのりさんの存在が大きかったように思います。

宝塚っぽい場面も見たいですからね^^

そして、そして美貌の白峰ゆりさん(95期)。今回は男役出身者が少ないので、元娘役の彼女も男役として踊るシーンがいくつか。

男役にひけをとらない、切れと迫力のあるダンスで、びっくりしました。

宝塚の枠にとらわれないパフォーマンスで、宝塚現役時代には見られなかった姿が見られるのは、OG公演の大きな楽しみですよね。

この90期代2人は宝塚娘役、舞台人としての完成度が高く、100期代のフレッシュな2人とはいい意味で世代間の差があって面白かったです。

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感想ダンスカンタービレVIOLET:アフタートーク爆笑!中塚皓平&娘役(有栖妃華、音波みのり、沙弥音、白峰ゆり)

私が観劇したのは8/4昼の回で、アフタートークは中塚皓平さんと娘役でした。中塚皓平の上手側に音波みのりさん、有栖妃華さん、下手側に白峰ゆりさん、沙弥音さん。

そこはさすがに学年順がご本人たちもしっくりくるでしょう。

終演後汗がひく間もなく舞台に登場した5名。緞帳が開いたら文字通り客席との温度差に驚いたようです。

次回から最前列のお客さんにはハンディファンで風を送ってもらいたいと中塚さん。

はい、こっちは寒かったですー。

一言ずつと振られて、音波みのりさんが退団以来3年のうち、中塚さんと毎年のように共演している、中塚さんと言えばDIAMOND☆DOGSで必ずタライが登場して、頭に当たるというお約束があるので、今回はタライがいつ登場するかとずっと思っているというようなことをいきなりかまして場内大爆笑。

白峰ゆりさんも「タライは出ないんですか?」と確信犯的にボケをかまし、有栖妃華さんも「あ、じゃあ私が用意します」と下級生ぶりを発揮。

公演の話ではなくタライの話で盛り上がって収集つかなくなって中塚さんも頭を抱えます。

カンパニーでは「お父さん」と呼ばれているようですね。すっかり自由奔放な娘役トークに翻弄されている中塚さんでした。

再下級生の沙弥音さんは感想を聞かれていきなり「暑いったらありゃしないんですが……。」と発言。いやー、言葉が若いなー。

あれだけ完成度高く踊って、お稽古もさぞ大変だったと思いますが、それを乗り越えて和気あいあいと話せるなんて本当にいいカンパニーなんですね。

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感想ダンスカンタービレVIOLET:続けてほしい!クラシック曲の使われ方がちょっとツボ

ほとんど楽屋落ちみたいなトークが続く中、宝塚OGのみなさんが共通して言っていたのは、退団してからこんなにがっつり踊れたのは本当にうれしい、このメンバーで光栄だと言っていました。

でしょうなぁ。

かつて中塚さんはダンスの先輩に、ダンスは15分が限界だと言われたそうですが、今回は連続35分!誰だ!?こんな振付したのは??お前だよってことですが、好きだからずっと追求していきたいと話していました。

娘役さん達は、しきりにあと2ステージ、ぜひリピートしてくださいと口々に言ってましたが、平日マチネということもあり後半の席はガラガラで、こんなにいい公演なのにもったいないことだと思いました。

これからも毎年やってほしい公演ですね。

余談ですが、アフタートークショーの爆笑以外に、ちょっと面白かったことといえば、信長と光秀が対峙する場面で、クラシックの曲がいくつか使われていました。

緊迫する場面でモーツァルト作曲『レクイエム(鎮魂曲)』の中から「怒りの日」「涙の日」「レクイエム」と、コンピュータ音楽で流れるのですが、うーん、それちょっと怒りや悲しみの対象は違うかも……と思いました。

こういう使われ方をするとは、モーツァルトもびっくりかもしれないなとニヤニヤしてしまいました。

ラフマニノフのピアノコンチェルトも抜粋が流れたし、ちょっとフィギュアスケートみたいな使い方ですよね。

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