人気舞台女優の大空ゆうひ(おおぞらゆうひ)さん。宝塚の男役出身です。宝塚時代は大空祐飛の芸名で活躍。
紆余曲折ありながら、最後は宙組で大輪の花を咲かせて大人気を誇りました。
懐の深い、少し陰のある大人の男役がシビれるほど素敵でした…(#^.^#)
宝塚を退団後も精力的に舞台女優を続け、今も話題作への出演が次々に決まっています。
宝塚時代、一体どんな紆余曲折があったのか、どんな人気を誇った男役さんだったのでしょうか。
大空ゆうひさんの魅力を一気にご紹介していきます!
大空ゆうひ:年齢、本名、身長、宝塚何期?同期は誰?芸名や愛称(あだ名)の由来は?実家はお金もち?
大空ゆうひさんの生年月日は、1974年6月22日。本名は渋谷陽子(しぶや ようこ)さんといいます。
中卒で宝塚音楽学校に入学しているので、一発合格ということですね。
ちなみに、ご出身中学校は、お嬢様学校として有名な田園調布雙葉中学校です。
ご実家は世田谷区ですし、なんとおじいさまは大臣も務めたことのある渋谷直蔵さんという政治家!
噂の範囲を出ませんが、東京宝塚劇場の建て替えの時に仮設劇場を建てていた土地は大空ゆうひさんのご実家の土地だったとかなんとか?!
筋金入りのお嬢様であることが分かります……!
身長は170センチですので、175センチ前後という長身のスターが勢揃いする宙組でトップスターになったのは、かなり意外でした。
大空ゆうひさんは、宝塚歌劇団78期生。初舞台は1992年の雪組公演『この恋は雲の涯まで』です。
同期生には、こんな面々が。
- 瀬奈じゅん(せな じゅん)/元月組トップスター
- 貴城けい(たかしろ けい)/元宙組トップスター
- 檀れい(だん れい)/元月組・星組トップ娘役
瀬奈さん・貴城さんとは今も3人で一緒にディナーショーを開催したり、大変に仲が良いことも有名です。
特に瀬奈さんとは音楽学校時代の寮の部屋が同室で、毎朝一緒に登校していたほどの長い付き合いです!
大空ゆうひさんは2017年に現在の「大空ゆうひ」に改名されましたが、旧芸名の「大空祐飛」はお父様が考案されたようです。
宝塚OGは退団後に芸名を変える方も少なくありません。
「もうタカラジェンヌではない」という気持ちの切り替えなのかもしれませんね。
大空ゆうひは異例の超遅咲きトップ!
大空ゆうひさんは、元トップスターの中では異色の経歴をお持ちです。
大抵のトップスターは新人公演や別箱公演で主演を何度も連発したりして、「路線スター」としてトップ就任に向かって実績を積んでいきます。
大空ゆうひさんの場合、当時所属していた月組で、新人公演での主演は新人公演卒業直前のラストイヤーでようやく、でした。
その後の別箱公演の主演作も、入団10年目になるまでお声がかからず。
2004年にようやく単独主演作に恵まれますが、その翌年には、同期生である瀬奈じゅんさんが花組から月組にやってきて、トップスターとして降臨します。
大空ゆうひさんがようやく単独主演作を掴んだ時に、同期生はもうトップスターなのですから、「どうなっちゃうの~」とファンは大変やきもきしたものでした。
しかも、瀬奈さんを2番手として支えたのは大空ゆうひさんではなく、2学年下の霧矢大夢(きりや ひろむ)さん。逆転現象が起こってしまいます。
と思ったら、今度は大空ゆうひさんは花組に組替え!
真飛 聖(まとぶ せい)さん時代の花組を2番手として支えますが、真飛さんも大空ゆうひさんから見て3学年下になります。
宝塚には、「トップスターは入団20年目を迎える前に卒業する」という謎の暗黙ルールが存在します。
真飛さんを支えていた頃、大空ゆうひさんはもう入団17年目でした。
今から真飛さんの退団を待っていたら20年目になってしまう……
多くのファンが絶望的になっていた頃、なんと入団18年目にして、まさかの宙組でトップスター就任という超オドロキ人事の発表!
このウルトラC並みの人事には、ファンは仰天したものでした……( ゚Д゚)
相手役となった野々すみ花(のの すみか)さんも、大空さんと一緒に花組から宙組に組替えとなってのトップコンビでした。
当時の宙組ファンとしては「これじゃあ、まるで花組じゃん……」という複雑な心境もきっとあったでしょう。
それでも、大人のムード漂うベテランの大空さんと、下級生ながらしっとりとした空気をまとった超実力派の「ゆひすみコンビ」(大空・野々のコンビ愛称)は、大人気となりました。
大空ゆうひさんは「トップスターは入団20年目までに退団する」という通説を覆し、入団21年目での退団となりました。
大空ゆうひ:歌唱力・ダンス・芝居は?性格は?
大空ゆうひさんは、宝塚入団時の成績は40人中28番と、あまり優秀なほうではありませんでした。
確かに、歌、ダンス、お芝居……「これはなかなか!」という飛び抜けたものが無かったように感じました。
さらに、当時の月組で一緒に切磋琢磨していた霧矢さんが、歌もダンスもパーフェクトの首席入団者。
目を引く華もあるスーパー舞台人だったので、霧矢さんの影に隠れてしまっていたこともあるでしょう。
また、ご自身でも「人前に出ようとするタイプではない」と言っているほど、消極的な性格のよう。
それでも、大空ゆうひさんはアンニュイな雰囲気に小さなお顔、長い脚、という男役として素敵なものもたくさんお持ちでした。
それなのに、なかなか「本気スイッチ」の入らない大空ゆうひさんを、劇団は根気よく待ち続けていた、という印象です。
しかし結果的に、下級生を支える立場になったり、かなり上級生になってから組替えを経験したりして、トップに相応しい人格と技術を身につけていかれたように思います。
苦労人の大空祐飛さんの元で、凰稀かなめ(おうきかなめ)さんも二番手としてのびのびと育っていったように思います。
なにより、野々すみ花さんというピッタリのお相手に恵まれて、満を持して宙組でトップに就任できて大正解でした!
大空ゆうひ:相手役・野々すみ花との仲!退団はいつ?理由はなぜ?
野々すみ花さんとは、花組時代の大空ゆうひさんの主演作『銀ちゃんの恋』で共演済みでした。野々さんはヒロインの小夏役です。
『銀ちゃんの恋』はつかこうへい作の『蒲田行進曲』の宝塚バージョン。
宝塚バージョンということで多少はマイルドになっていますが、主人公の銀ちゃんはかなりのモラハラ・パワハラ・DV男です(笑)
ヒロインの小夏も、宝塚の娘役らしからぬ気の強い女性です。
そんな難易度の高い作品を、野々さんは入団4年目という若さで大熱演。
きっと大空ゆうひさんも、野々さんの実力の高さはこの作品でしっかりと認めていらっしゃったのではないでしょうか。
お2人の学年差は13学年!これだけの年齢差があると、一般的には「トップスターが相手役を引っ張る」「相手役はただひたすらトップスターについていく」という図式になります。
しかし、「ゆひすみ」の2人は大変に自立した関係性だったようです。
大空ゆうひさんが野々さんの舞台人としての優秀さや人間としての聡明さを認めていらっしゃったからこそなのでしょう。
大空ゆうひさんの退団の知らせを受けて、野々さんが「私もご一緒に…」と伝えた時も、「賛成も反対もしない。自分の人生なんだから自分で決めたらいい」、とだけ。
一見冷たいように聞こえますが、野々さんの判断を尊重しているからこそ、の言葉だったように感じます。
野々さんも大空ゆうひさんのことを大変に尊敬していて、性格的にもとても相性のいいコンビだったと思いますね。
お2人の退団は2012年『華やかなりし日々/クライマックス』。
大空ゆうひさんがトップ就任したのがすでに入団18年目だったので、2年もやってくれればいいな……とファンは思っていました。
結果、3年間務めてくれたので、引き際のタイミングも完璧だったように思います。
そのとき、野々さんはまだ入団8年目だったので、本来は続投できる学年ではありました。
きっと「祐飛さんと一緒に就任して、一緒に卒業したい」という夢があったのでしょうね。
大空ゆうひ:宝塚時代の代表作やエピソードは? 久世星佳や天海祐希との絆
スロースターターだった大空ゆうひさんは、単独主演作の数があまり多くはありませんが、やはり先ほどの『銀ちゃんの恋』は代表作と呼べるでしょう。
「理想の男性」を演じるのが仕事である宝塚の男役。
モラハラ・パワハラ・DV男なんて、相当に上手く演じなければ素敵な男性像には見えません。
しかも、銀ちゃんは昭和の傲慢で豪快な映画俳優というキャラクター。陰のあるアンニュイな大空ゆうひさんとは個性が全く違いました。
それを見事に演じ切ったのは、経験を積んで演技力を磨いてきた、あの学年の大空ゆうひさんだからこそできたことだと思います。
しかも、『銀ちゃんの恋』が大空ゆうひさんの代表作、というのは別の側面も持っています。
大空ゆうひさんが月組に配属された当時のトップスターは、天海祐希(あまみ ゆうき)さん、2番手スターは久世星佳(くぜ せいか)さんでした。
天海さんは月組の上級生たちを何人も抜かし、一気にトップまで駆け上がりました。
天海さんの4学年上級生でありながら、2番手として天海さんを支えた久世さん。
これは、下級生である真飛さんを花組で支えていた大空ゆうひさんの状況ととてもよく似ています。
そんなことから、久世さんも大空さんを温かく見守っていたようです。
しかも久世さんの代表作である『銀ちゃんの恋』を大空ゆうひさんが再演するというご縁。
『銀ちゃんの恋』は、遅咲きスターの魅力を一気に花開かせる不思議な力のある作品、と言えそうです。
大空ゆうひ:結婚は?現在の活躍は?事務所はどこ?舞台やテレビの出演は?
大空ゆうひさんは2012年に宝塚を卒業し、数ヶ月のお休みを経てすぐに舞台女優としてのリスタートを切りました。
所属事務所は、ちょっと意外なエイベックス・マネジメント。
多くのミュージシャンの他に、俳優部門もアスリート部門も、様々な著名人が所属している大手事務所です。
宝塚OGでは大空ゆうひさんが唯一のようですね。
映像にも強いプロダクションのせいか、実はテレビドラマにも少し出演経験があるようです!有名なところでは『家政婦のミタゾノ』。
舞台は、割と小劇場系が多いようですが、年に数本というコンスタントなペースで出演を続けられています。
出演作品はストレートプレイが多いようです。
直近では古典劇『オイディプス王』に出演され、非常に難しい演劇作品にも引っ張りだこのようですね。
ビルボードライブなど、お歌のステージも続けられているのは、ファンはやっぱり嬉しいところ。
さきほどお伝えした、瀬奈さん・貴城さんとの同期ディナーショーも、ファンは絶対に嬉しいですよね。
今も宙組の舞台は、よく野々すみ花さんと一緒に観劇されているようですし、宝塚時代の絆をとても大切にしていらっしゃるんですね。
ご結婚のご報告は、今のところは無し。
おっとり穏やかな性格の大空ゆうひさんなので、いつご報告があってもおかしくない気がしますけどね(^_^)
一見クールでアンニュイな空気をまとっている大空ゆうひさん。でも笑顔が柔らかくてとても可愛らしい、まさに「ギャップ萌え」の人です。
お人柄に加えて、お芝居、歌、とたくさんの魅力をこれからも振りまいてくれるでしょう。
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