宝塚歌劇団 雪組 元トップ娘役の、舞羽美海(まいはね みみ)さん。
正統派アイドルのような大変にキュートなお顔立ちで、多くのファンから「可愛い!」と愛されました。
その華やかさもあり、入団してすぐに大抜擢を受け続け、エリート娘役として雪組で育ちました。しかし、トップ就任直前、そして就任後にもに思わぬ試練が……!
宝塚時代の舞羽美海さんの活躍を詳しくお伝えしていきます。
舞羽美海:宝塚何期?年齢、本名、身長は?同期は誰?芸名や愛称(あだ名)の由来は?
舞羽美海さんは、宝塚歌劇団93期生です。初舞台は、2007年の星組公演『さくら/シークレット・ハンター』。
生年月日は1987年8月22日で、本名は藤原未知子さん。身長は160センチです。
芸名の由来といえば、こんなエピソードが。
2019年~2024年の星組トップ娘役である舞空 瞳(まいそら ひとみ)さんは、舞羽美海さんに憧れていたそうです。
のちに改名しましたが、下級生時代は「舞空美瞳(まいそら みみ)」という芸名でした。憧れの舞羽美海さんに似た芸名にしたそうです。
さすがに似すぎているということで、トップ就任前に改名されました。
舞羽美海さんの愛称はそのまま「みみ」。
93期の同期生には、こんな面々が揃っています。
- 彩風咲奈(あやかぜ さきな)/元雪組トップスター
- 芹香斗亜(せりか とあ)/宙組トップスター
- 愛月ひかる(あいづき ひかる)/元星組2番手スター
- 桜咲彩花(おうさき あやか)/元花組娘役
特に彩風さんとは雪組でずっと一緒に育ったので、舞羽美海さんの思い入れもひとしおだったようです。
舞羽美海:歌唱力・ダンス・芝居の実力は?
舞羽美海さんといえば、やはりダンス!隙のないパワフルなダンスが「こんなに可愛らしいお顔なのにカッコイイ!」と大人気でした。
そのダンス力を見込まれ、トップ娘役としてのお披露目公演は、ダンサー娘役でないと演じることができない『黒い瞳』のマーシャ。
当時のトップスターだった音月 桂(おとづき けい)さんもダンスのできる男役さんでしたので、2人のデュエットダンスはとても見応えがありました。
雪組は「日本物が得意な組」という特色があります。
舞羽美海さんが在団していた時期は特に日本物が多かった印象ですので、舞羽美海さんも多くの日本物作品のヒロインを務めてきました。
そのおかげで日本物の芝居力も所作もぐんぐん磨かれました。
入団2年目で大抜擢を受けた新人公演ヒロインは、『マリポーサの花』。大人の女性の役柄でしたので、まだ入団2年目で、しかも可愛らしいお顔立ちの舞羽美海さんには大きな挑戦だったでしょう。
歌唱力のほうは、「及第点」というところでしょうか。
とても得意というわけでもないですが、トップ娘役として必要な実力は充分持っていらっしゃいました。
退団後に、「自分はミュージカルで活躍できないだろうと思っていた」と語っていますので、ご自身もダンスやお芝居を得意と感じていたのだと思いますね。
舞羽美海がトップに就任するまでの試練、就任してからの試練
舞羽美海さんの宝塚時代の経歴で特徴的なのは、新人公演ヒロインは1回なのに、別箱公演ヒロインは3度も経験していることです。
つまり、「1回の新人公演で実力は充分発揮できていた」という評価だったのでしょう。
雪組ファンはすっかり「次期トップ娘役はみみちゃんにほぼ決定だろう」と信じ切っていました。
しかし、ここでなんと入団1年目の夢華あみ(ゆめか あみ)さん(現・則松亜海)が次期娘役候補に急上昇。
音月 桂さんのお披露目公演『ロミオとジュリエット』は、相手役不在というイレギュラーな決定がされます。
ジュリエット役は、舞羽美海さんと夢華さんが役替わりで相手役を務めることになりました。
『ロミオとジュリエット』は2010年の初演で大成功をおさめた大人気公演の再演。
その大作のヒロインが役替わりというのは、なかなか大胆な決定でした。
音月さんは、宝塚歌劇団のメインスポンサーである三井住友VISAカードが推しているスターでした。
劇団としては、最大手のスポンサー様がついている音月さんの相手役選びを慎重に行いたかったのでしょう。
まるで「音月 桂 相手役 公開オーディション」のような、非常にシビアな状況でした。
結果は、ご存知のように舞羽美海さんが相手役として選ばれることとなりました。
しかし、ライバルとして切磋琢磨した相手の夢華さんは公演途中で休演に入ってしまい、なんとも言えない後味の悪さも残りました。
なぜ休演してしまったのかは、ひとえに劇団の采配の悪さにあるように思います。
まだ入団して1年も経っていないような夢華さんにそんなシビアな試練の場を与えたこと、夢華さんが「いわくつき」の96期生であったことなどが原因でしょう。
噂を知るファンから「この子が96期の……」という冷ややかな目にさらされてしまうことになりました。
そんな冷たい状況に、入団間もない夢華さんが耐えられるはずもなく……。
舞羽美海さんも、自分が選ばれたとはいえ、複雑な思いを感じていたように思います。
そしてついに「キムみみコンビ」(キムは音月さんの愛称)としてスタートを飾った2人。
しかし、夢華さんをいきなり重用したことや、音月さんがトップに就任する前に、2番手スターであった彩吹真央さんを退団させていたことなどが原因で、雪組ファンは一気に離れることになります。
雪組には更なる試練が続きました。
舞羽美海:雪組トップ娘役で音月桂の相手役!宝塚時代の代表作やエピソードは?
雪組のエリート娘役として一気にトップに上り詰めると思いきや、劇団の判断ミスのせいで思わぬ試練が待っていた舞羽美海さん。
しかし、「キムみみ」コンビはビジュアルも実力も文句なしでした。
当時、宝塚歌劇団は100周年を目前としており、華々しくPRするためにテレビ番組への出演を積極的に行っていました。
キムみみもTBSの特番『オールスター感謝祭』に特別出演して、堂々たるデュエットダンスを披露!
出演しているタレントさんたちにも、視聴者にも、「なんて美しい!!!」と思わせる見事なカップルでした。
現役タカラジェンヌがテレビ出演した際にどよめく世間の様子を見て、誇らしげに鼻の穴を膨らませてしまうのは「ヅカファンあるある」ではないでしょうか(笑)
当時、キムみみファンも大変に誇らしい思いでテレビ画面を見つめていたものでした。
また、音月さんも舞羽美海さんをとても大切にしていました。
タカラジェンヌといえどもやっぱり人間ですから、仕事をする上で「相性」というものは必ずあります。
タカラジェンヌは徹底したプロ集団なので、もちろんそのような裏の事情は絶対に見せません。
しかし、舞台というものは怖いもので、デュエットダンスで2人がかもしだす空気には、そのコンビの信頼関係が如実に表れてしまいます。
どこか信頼しきっていないコンビだと、笑顔で見つめ合っていてもなぜか「うわべ」の空気が漂います。
キムみみコンビは、2人が見つめ合うとハートが飛んでいるように見えるほど、本当に「大好き!」が溢れていました。
不運な試練にあたってしまった2人でしたが、最後まで2人はその試練を乗り越えようと助け合っていた様子が伝わってきて、感動を呼んだものでした。
そして退団後も2人は必ず一緒に後輩たちの舞台を観に足を運んでいます。
そんなところもまたキムみみファンはたまらなく嬉しい部分です。
舞羽美海:退団はいつ?結婚は?現在は?
先ほどお伝えしたように、当時の雪組は劇団の大失敗のせいで客足が遠のいていました。
『ロミオとジュリエット』以降、良作に恵まれなかったせいもあったでしょう。
三井住友VISAという最大手スポンサーをつけた、劇団肝入りの「キムみみ」はわずか1年半で退団を選ぶことになりました。トップスターの平均在任期間は3年前後です。
舞羽美海さんがトップ娘役として宝塚大劇場で公演できた作品は、たった3作品。
しかも、当時の舞羽美海さんは入団6年目。同期生はまだ新人公演に出演している学年です。あまりにも早すぎる退団でした。
音月さんが退団を決めた理由は、「やりきったので卒業します!」というよりは、空席続きの状況に責任を取って、という意味合いだと推察します。
そしてその音月さんに添い遂げたい、と舞羽美海さんも思って退団を決めたのではないでしょうか。
劇団のせいで客足が遠のいたのに、トップさんが責任を取って退団しなければならないというのは非常に理不尽なことですね……。
退団公演は2012年『JIN-仁-/GOLD SPARK!』です。最後のデュエットダンスはダンサーである2人の愛が溢れたとても素敵な振り付け・演出でした。
退団後、舞羽美海さんは松竹エンタテインメントに所属して、精力的に舞台に出演しつづけます。
得意のダンスでも、ストレートプレイでも、ミュージカルでも、マルチな活躍を見せてくれています。
気になる結婚はというと、今のところ特にご報告は無いようです。
今はまだ仕事に全力投球、という時期なのかもしれないですね。
舞羽美海:ポケモン声優や舞台・鬼滅の刃で活躍!テレビの出演作は?
舞台以外でも充分通用する美貌の舞羽美海さん。
所属事務所は大手の松竹ということもあり、舞台以外にも多くのフィールドで活躍しています。
その中でも特に気になる活動は、声優のお仕事!
舞羽美海さんが宝塚を退団した頃は、今ほど芸能の仕事が細分化していませんでした。
舞台か、映像か。そのふたつの世界で活躍していくOGさんがほとんどの中、声優というお仕事に挑戦されたのは大変に新しい試みでした。
しかも、誰もが知っている『ポケットモンスター』!
アゲートというっキャラクターを担当されました。
その後も声優のお仕事を定期的に続けられているので、声での表現が合っていたのでしょうね。
他には、大人気アニメの舞台化作品に出演されていることも有名です。
- 2020年『鬼滅の刃』珠世 役
- 2023年/2024年『進撃の巨人-the Musical-』カルラ・イェーガー役
この活躍の影響で、2次元ファン方面にも知名度が高いことが舞羽美海さんの武器とも言えますね。
テレビドラマにもいろいろとご出演されており、大人気を呼んだ朝ドラ『あさが来た』にもツゲ役で出演されていました。
ストレートプレイ、ミュージカル、ダンス公演、声優、テレビドラマ、映画……本当に多方面で活躍されている舞羽美海さん。
近年は、藤間勘十郎さんプロデュースの純日本物の朗読劇にも連続で出演されています。
朗読劇なので基本的には声ですべてを表現しますが、なぜか日舞なども織り込まれていて、台詞は歌舞伎風の言い回し。これができる女優さんはなかなかいないだろうなという高難度の作品です。
退団後も様々なレッスンを地道に続けられている証拠ですね。
超絶美人なのに、それにあぐらをかかずに芸事の努力をひたむきに続ける舞羽美海さん。今後も大注目です!
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