宝塚時代には数々の難役を演じこなし、存在感を見せつけていた元花組娘役、音 くり寿(おと くりす)さん。
誰もが納得する実力を持ちながらも、トップ娘役にはならず宝塚を退団しました。
退団してまだ間もないため、舞台女優としての活躍にいま注目が集まっています。
ファンの間では「ついに音くり寿が野に放たれた!」とワクワク笑
一体どれほどまでに実力のある娘役さんだったのか、本名や年齢と共に詳しくお伝えしていきます。
音くり寿の年齢、本名、身長、何期?同期は誰?芸名や愛称(あだ名)の由来は?
音 くり寿さんは2014年入団。宝塚歌劇団100期生という、記念すべき期です。
同期生は、記念すべき年に相応しく「粒ぞろい」。トップスター、トップスター候補が揃っています。
- 華 優希(はな ゆうき)/元花組トップ娘役
- 星風まどか(ほしかぜ まどか)/花組トップ娘役
- 聖乃あすか(せいの あすか)/花組男役スター
- 風間柚乃(かざま ゆの)/月組男役スター
- 極美 慎(きわみ しん)/星組男役スター
- 天彩峰里(あまいろ みねり)/宙組娘役
近い将来、「100期生時代」がとても楽しみです。
音 くり寿さんの生年月日は1996年12月18日です。
身長は160センチですが、ベビーフェイスなので、なんとなくもう少し小柄な印象です(#^.^#)
本名は白石久利寿さん。
なんと、この可愛らしい芸名は本名だったのですね!
愛称は公称(?)では「くりす」となっていますが、ファンの間では「おとくりちゃん」が主流ですね。
100期生は粒ぞろいということで、その実力もかなりハイレベルです。
その中で音 くり寿さんはなんと2番という成績で入団しています!しかも、宝塚音楽学校も中卒で一発合格!
つまり、音 くり寿さんは歌にしろ芝居にしろダンスにしろ、どこにも弱点のないパーフェクトな実力の持ち主です。
音くり寿の実力がすごい!歌唱力・ダンス・芝居もうまい!ヒロイン・エトワールも!
「歌が上手」「名ダンサー」など、それぞれに特技を持っているタカラジェンヌんはたくさんいます。
しかし音 くり寿さんは「何をやっても飛び抜けて上手い」ことが一目瞭然です。
もちろん、ヒロイン、エトワール経験も豊富です。
- 2016年『ME AND MY GIRL』新人公演初ヒロイン
- 2017年『MY HERO』ヒロイン
- 2018年『蘭陵王(らんりょうおう)』ヒロイン
- 2019年『CASANOVA』エトワール
- 2020年『はいからさんが通る』エトワール
音 くり寿さんは、発声も発話もとてもきれい。加えて一言しゃべるだけですぐに「この子、上手い!」と分かるほどでした。
「鈴の鳴るような声」というのはまさに音 くり寿さんのこと。誰が聞いても「これは音くりちゃんの声!」と分かります。それは舞台人として大きな武器だと思いますね。
しかも、子役からおばさままで演じ分ける芝居勘の良さは、「演劇少女」とも「宝塚の北島マヤ」とも!
「音 くり寿さんに任せておけばどんな役も大丈夫」と思える安定感がありました。
宝塚には「娘役芸」と言われる、他の舞台では求められないようなスキルが求められます。
スカートの裾をいかに美しくなびかせて踊るか、ドレスから出る背中をいかに美しく見せるか、男役と組んだ時に相手をかっこよく見せる寄り添い方、等々。
音 くり寿さんはそれらの技術にもとても長けていて、とにかく「なんでもできる人」でした!
音くり寿がトップ娘にならなかった理由はなぜ?路線落ち?
音楽学校から成績優秀、入団後もさらに上達した実力。ベビーフェースの可愛らしいビジュアル。
ヒロイン経験も豊富で、誰もが「いずれ誰かの相手役に」と思っていました。
しかし、娘役さんというのは運やタイミングに振り回されやすい立場と言えます。
どんなに人気や実力があっても、どうしてもタイミングが合わないという事態は残念ながら存在します。
音 くり寿さんの場合は、同期生に華 優希さんと星風まどかさんという強力なライバルがいたことがまずひとつ挙げられます。
星風まどかさんは入団時3番の成績。入団3年目で宙組トップ娘役に就任していました。
華さんの退団でいよいよ音くり寿さんが次期トップ娘役か!と思われましたが……。
なんと星風さんが宙組から専科経由で花組に組替えし、トップ娘役に就任するという異例の人事が行われました。
過去にもトップ娘役の組替えはありましたが、前任トップ娘在団中からの一連の異動はかなり珍しい人事と言えます。
トップスターにはある程度の指名権があると言われていますので、花組トップスターの柚香 光(ゆずか れい)さんの意向なのかどうなのか……?
「これほど上手い音くりちゃんがトップにならないなんて!」と怒りをあらわにするファンも当時見受けられました。
他には、音 くり寿さんは正統派美人というよりはベビーフェイスであることが、美形の柚香さんの隣に立つにあたって向かなかったとか。
トップスターの影が薄くなってしまうほど、音 くり寿さんの存在感や上手さが飛びぬけていたとか。
そのようないろいろな理由が重なったゆえ、のように感じました。
音くり寿の退団はいつ?理由は?
音 くり寿さんが退団した作品は2022年『巡礼の年/Fashionable Empire』でした。
近年の宝塚ではトップ娘役の低年齢化が目立つ印象があります。
トップ娘役としてちょうどいい時期を過ぎてしまっても、音 くり寿さんはまだまだお若い。これほどの人気と実力があれば「別格娘役」として長く活躍する選択肢もあったと思います。
ここがタカラジェンヌそれぞれの判断の分岐点と言えます。
「トップになれないなら少しでも若いうちに卒業して外部で活躍したい」という道を選ぶ人も少なからずいます。
音 くり寿さんもこの道を選びました。
退団後のインタビューに答えて、退団についてはずっと考えていたけれど、迷っているうちは違うと思っていたと言っています。
タカラジェンヌが退団を決意するときは「鐘が鳴る」とよく言います。その鐘は舞台人として充実している時に鳴るそうです。
音 くり寿さんも今が楽しいから決断したとのことです。
『元禄バロックロック』の集合日ですね。「あ、今日プロデューサーさんに話しに行こう」とふと思い立ったんです。
出典:Voce
入団9年目での退団でしたので、娘役としては平均的ではないでしょうか。
それでも、入団10年目を過ぎてもタイミングが合えばトップ娘役としてお声がかかることもあります。
そのタイミングを待っても良かったとは思いますが、音 くり寿さんは退団の道を選びました。
確かに音 くり寿さんほどの実力があれば、退団しても間違いなくオファーはたくさん舞い込むでしょう。
宝塚では悔いなくやり切ったから新しい挑戦に意識を向けた、ということのように思いました。
退団直前の音くりちゃんは、メイクもぐっと大人っぽく美しく、輝きは神々しいほどでした。
今からは娘役ではできなかった難しい役にもどんどん挑戦できるので、むしろ退団後がとても楽しみな娘役さんです。
音くり寿:宝塚時代の代表作は?相手役は?
宝塚時代の代表作はもう挙げたらキリがないので、3つだけ。
2020年『マスカレード・ホテル』での片桐瑤子 役です。
映画化もされて話題になったあの人気小説のマスカレード・ホテルです。
映画では松たか子さんが演じていた、とてもとても難しい役を音 くり寿さんが演じました。
むしろ、あんな役をよく娘役に!と思うほどで、これは音 くり寿さんが花組にいたからこそ実現した作品と言っていいでしょう。
なんなら音 くり寿さんが主演だったと言ってもいいくらい(笑)、すごいインパクトでした!
それから、2018年『蘭陵王(らんりょうおう)』ヒロインもはずせません。主演の蘭陵王役は89期最後の現役ジェンヌで専科の凪七瑠海(なぎなるうみ)さん。
実力派でスレンダー、お顔の小さい凪七瑠海さんの相手役としては、スキルもビジュアルも申し分ないとワタクシ思いました。
音くりちゃんの役どころは、礼儀作法も芸事も武芸も完璧に訓練された女スパイ。蘭陵王に正体を見破られて部下となり、
なんでもできる音くりちゃんにぴったりのお役♪と思って観ていましたが、意外なことにこの作品は苦戦したそう。
今思えば、こわいものしらずの若手時代から本格派の舞台人への転換期だったのかと思います。
2021年『元禄バロックロック』では、なんと少年役。幼将軍ツナヨシです。
犬のぬいぐるみを抱えてふわふわ暮らしている幼い将軍は、実は賢く、終盤で苦渋の宣言を下します。
この一言が本当に重みがあって、心の中で思わずアッパレ音くり寿!と叫んだのを覚えています。
音くり寿の現在の活躍は?事務所はどこ?結婚してる?舞台やテレビの出演は?
2022年、コロナ禍の中、宝塚を卒業していった音 くり寿さん。
まだまだ記憶に新しいので、宝塚ファンは花組に音 くり寿さんがいないことをいまだに不思議に思っているでしょう。
退団してからの音 くり寿さんは早々にTwitterとInstagramのアカウントを開設、元気な様子を伝えてくれています。
まだ退団したばかりですし、舞台女優としてのお仕事が始まったばかりなので結婚のご報告はありません。
芸能界でも最近は大手事務所からの独立が目立ちますが、宝塚OGもフリーランスで活動している人が少なくありません。
音 くり寿さんも今のところはフリーのようで、お仕事のオファーもホームページから直接受け付けているようです。
退団後のお仕事はじめは、まずはファンの皆さんへの感謝を伝えたいという想いがあったのでしょう。
「トーク&ライブ」を開催し、ファン待望の主演ステージを見せてくれました。
その後もミュージカルや演劇など、既に2作品にご出演、NHKのオーディオドラマにも声の出演をされていたりします。
宝塚時代には見られなかった独特な役もたくさん見てみたいですし、帝国劇場などの大きな舞台に立つ音 くり寿さんもぜひ見てみたいですよね。
もしかしたら、舞台のバックアップに強いプロダクションに所属するかもしれません。
舞台女優としての活躍はまだ始まったばかりですので、これからがとても楽しみです!
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