日本のミュージカル界を代表する女優、霧矢大夢（きりやひろむ）さんは、宝塚月組の元・トップスター。
宝塚時代は、新人の頃から大注目され、超エリートコースで順調に出世。しかし、思いがけない大病に襲われるなど意外にも波乱万丈な歩みでした。
この記事では病気からトップスターへの歩み、現在の活躍や結婚の噂までお伝えしていきます。
若い頃の様子は以下をご覧くださいね。
霧矢大夢（きりやひろむ）本名や年齢、宝塚時代の評判は？何期？同期や姉は誰？真琴つばさとの絆エピソードや伝説！
霧矢大夢は病気を乗り越えトップスター就任！
宝塚歌劇団に首席入団、歌、ダンス、芝居と三拍子そろった上に美人の霧矢大夢さん。
幼いころから習っていたバレリーナを生かした仕事に付きたいと、宝塚に入団。
若手の頃から順風満帆、スター街道まっしぐらでした。
しかし、2003年、『花の宝塚風土記／シニョール ドン・ファン』の東京公演中に突然の休演が発表されました。
初期の膠原病（こうげんびょう）という休演理由も発表され、ファンはびっくり。
膠原病は生活習慣病ではなく、いまだに発病理由が解明されていない免疫系の病気です。
初期ということではありましたが、霧矢大夢さんは体調の異変を隠しながら公演をしていたのかと思うと、とても胸が痛みます。
公演中だったので、急きょ大幅なキャスティング変更をして公演を乗り切った代役の皆さんも、本当にすごいですよね。
その後に予定されていたバウホール主演公演も降板し、治療に専念する日々に突入します。
いつもは明るい霧矢大夢さんもさすがにこの期間は不安に押しつぶされそうで、退団も頭をよぎったそうです。
しかし幸運なことに順調な回復を見せ、次の本公演『薔薇の封印』から見事に復帰を果たします。
『薔薇の封印』では難易度の高いクラシックバレエシーンで、元来のバレエ少女ぶりを発揮して元気な姿を見せてくれました。
とはいえ、ただでさえ体力的に超ハードなタカラジェンヌという職業。
これだけスター街道をばく進していた霧矢大夢さんがトップスターに就任したのは、入団17年目直前でした。
一般的なトップスターより就任時期はだいぶ遅くなりました。
劇団側も霧矢大夢さんの体調を見ながら、ゆっくりのペースでトップまで進めていったのではないでしょうか。
霧矢大夢と瀬奈じゅん・越乃リュウとの戦友のような仲
トップ就任は遅かった分、3番手・2番手として長く活躍。霧矢大夢さんにとって非常に有意義な時期だったと想像します。
その中でも特に、トップスターだった瀬奈じゅん（せな じゅん）さんを2番手として支えた際の絆は胸が熱くなるものがあります。
当時の月組は、いろいろなイレギュラーな人事が一度にあったタイミングでした。
例えば、瀬奈さんの前任トップスターは、彩輝なお（あやき なお）さん。彩輝さんは相手役の映美くらら（えみくらら）さんが退団後は相手役がいない状態でした。
彩輝さんはトップ就任後１年で『エリザベート』という超大作で退団します。その時の相手役は花組の男役２番手スターの瀬奈じゅんさんが特別出演しました。
その後、瀬奈さんが月組トップスターに決まり、相手役の彩乃かなみ（あやの かなみ）さんと共に月組に異動してきます。
組を支える組長は越乃リュウ（こしの りゅう）さんが史上最年少で就任。
それ以外にも様々な目まぐるしい出来事があり、この時期の月組は本当に「激動」という言葉がぴったりな状況でした。
その激動をなんとか耐え抜いて月組をまとめようと、強いリーダーシップを発揮したのが瀬奈さんでした。
瀬奈さんは霧矢大夢さんのことを「ひろむ」と独自の呼び方で呼び(笑)、組長の越乃さん、相手役の彩乃さんなど、当時の月組主要メンバーはいまだに大の仲良しです。
瀬奈さんよりも下級生なのに組長に抜擢されてしまい、戸惑う越乃さんを瀬奈さんが支え、そんな瀬奈さんを霧矢大夢さんが支える。
まさに「戦友」という絆のように思いますね。
霧矢大夢さんと瀬奈じゅんさんはどちらもフレンチブルドッグを飼っている、という共通点も有名です。
霧矢大夢の相手役は蒼乃夕妃（あおの ゆき）
瀬奈じゅんさんの退団後、そのままめでたく月組でトップスターに就任した霧矢大夢さん。
相手役には蒼乃夕妃（あおの ゆき）さんを迎え、大人っぽいダンサーコンビとして充実したトップ期を過ごします。
霧矢大夢さんはもともと大らかで優しく、人としても器の大きな方です。
宝塚のトップコンビは、娘役が男役の一歩うしろでトップスターを引き立てる関係性が良しとされがちです。けれど蒼乃さんは、現代女性を象徴するような個性を持つ娘役。
自由に個性を発揮する蒼乃さんに「対等な関係のコンビでいよう」と、常に大きく受け止めていました。蒼乃さんの活躍を「いいぞ、いいぞ」と喜んでいた姿が本当に素敵でした。
特に印象的だったのは、通称「組本」と呼ばれる、ひとつの組を徹底的に掘り下げて紹介する特集ムック本です。
表紙に選ばれたのは、霧矢大夢さんと蒼乃さんが横に並んで手を繋ぎ、カメラに向かってかっこよく歩いてくる姿でした。
「いかにも宝塚」な服装ではなく、クールなモノトーン。まるでファッション雑誌の表紙のようでした。
蒼乃さんの個性を生かすその姿勢は、霧矢大夢さんの人気を更に高めました。
霧矢大夢：退団はいつ？事務所はどこ？
「トップスターは入団20年目までには退団する」という暗黙のルールがある宝塚。
霧矢大夢さんが月組トップスターに就任したのが入団17年目でしたので、活躍できるのは3年に満たないくらいかな、という大方の予想は出ていました。
退団公演は2012年『エドワード8世／Misty Station』です。
ファンとしてはもう少しこのトップコンビの活躍を見ていたい、丸2年ほどの在任期間となりました。
決して長くはありませんが、霧矢大夢さんが体調的に無理せずに済む程度の、ちょうどいい任期だったと思います。
相手役の蒼乃夕妃（あおの ゆき）さんも同時に退団し、添い遂げました。
宝塚を退団してからの霧矢大夢さんは、その半年後に単独コンサートを開催したのを皮切りに、舞台女優人生が始まります。
所属事務所はオレンジブルーカンパニーで、中井美穂さんなどが所属しているプロダクションになります。
これだけの実力を持った霧矢大夢さんなので、もっと有名で大きなプロダクションを選ぶと思っていたので少し意外でした。
体調への配慮もあるのか、霧矢大夢さんの意向にしっかり合わせたスケジュールを組んでくれる事務所なのかもしれないですね。
霧矢大夢：結婚は？現在の活躍は？舞台やテレビの出演作は？ピピン、ラマンチャの男、犬は？
霧矢大夢さんの退団後の舞台出演経歴は「さすが」の一言です。『マイ・フェア・レディ』イライザ役を皮切りに、大きな舞台で大きな役を次々と演じていらっしゃいます。
霧矢大夢の主な舞台出演作品
- 2013年・2016年『マイ・フェア・レディ』イライザ役
- 2014年『オーシャンズ11』クイーン・ダイアナ役
- 2015年『ラ・マンチャの男』アルドンザ役
- 2018年『タイタニック』アリス・ビーン役
- 2019年・2022年『ピピン』ファストラーダ役
- 2022年『バイ・バイ・バーディー』ローズ・アルバレス役
この他にも、愛する瀬奈じゅんさんのコンサートに出演したり、仲良し同期生である彩吹真央さんとのトークショーなどに出演しています。
テレビや映画などの映像出演は今のところ特になく、やはり「舞台女優」という枠で活躍されていくのでしょう。
気になるご結婚はというと…今のところ独身のようです。
宝塚時代の「相棒」であった愛犬の「フィンチ」を見送り、現在は「ショーン」という2代目のフレンチブルドッグと楽しく暮らしています。
フィンチはファンにも愛されたワンちゃんで、霧矢大夢さんの退団時には、緑の袴姿でフィンチを抱っこして退団パレードに登場！
退団が寂しくて涙にくれるファンを笑顔にしてくれた、とても素敵なわんちゃんでした。
これからはショーンを相棒に、霧矢大夢さんはまだまだ大活躍してくれそうですね。
まとめ：霧矢大夢（きりやひろむ）病気を克服し月組トップスターに！相手役は誰？結婚は？瀬奈じゅん越乃リュウとの仲！退団はいつ？現在の活躍や出演作は？
日本のミュージカル界を代表する女優である霧矢大夢さんは、宝塚月組の元トップスター。
宝塚入団時から順風満帆なキャリアを送っていましたが、2003年に初期の膠原病にかかり、公演を休演。その後治療に専念し、次の公演で復帰を果たしました。
組長の越乃リュウ（こしの りゅう）さんや、前任のトップスターの瀬奈じゅん（せなじゅん）さんとは、戦友のような絆で舞台を盛り上げました。
瀬奈さんの相手役の彩乃さんなど、当時の月組主要メンバーはいまだに大の仲良しです。
17年目直前でのトップスター就任という遅めのタイミングで、劇団側も彼女の体調を見ながら進めたとされています。
相手役にはダンスの巧い蒼乃夕妃さんを迎え、トップ娘役がトップスターのサポート役に徹する関係性ではなく、対等な関係の実力派コンビとして人気を集めました。
退団後はオレンジブルーカンパニーに所属し、『マイ・フェア・レディ』、『ラ・マンチャの男』、『ピピン』などの舞台作品に出演。
テレビや映画の出演はなく、現在は舞台女優として活躍している。独身で、愛犬フィンチを見送り、2代目のフレンチブルドッグのショーンと一緒に暮らしています。
コメント