元雪組トップスターの一路真輝(いちろ まき)さんは今や国民の誰もが知るトップ女優です。
宝塚を退団後も多くのドラマや舞台で活躍し、「やっぱり宝塚のトップスタ―はすごい!」と多くのファンを魅了しています。
一路真輝さんといえば、名作ミュージカル『エリザベート』を日本で初めて公演・主演した偉業をお持ちです!
「日本で最初に主演するのはあなた!」と白羽の矢が立ったほど、実力派である一路真輝さん。
宝塚時代にどんなトップスターだったのか、その活躍と軌跡をいろいろなエピソードをご紹介しながら振り返っていきましょう。
一路真輝:若い頃は宝塚トップ!男役?娘役?年齢や身長は?何期?同期は誰?芸名や愛称(あだ名)の由来は?
一路真輝さんは、宝塚歌劇団1982年入団の68期生になります。
初舞台は1982年の花組公演『春の踊り/アルカディアよ永遠に』です。
同期生には、今も現役タカラジェンヌである英真なおき(えま なおき)さんがいらっしゃいます。
生年月日は1965年1月9日、身長は164センチ。男役さんの中ではかなり小柄、どちらかといえば娘役さんに近い身長です。
「元は娘役?」と思われる方もいるようですが、入団から退団までずっと男役です。『風と共に去りぬ』のスカーレットをヒロインとして見事に演じたこともあります。
男くさいタイプではなかったこともあり、男役も娘役も違和感なく演じられる「二刀流」として小柄な身長も武器になっていた印象ですね(^^)
本名は、石川いづみさんです。愛称は「いちろ」「いっちゃん」。宝塚OG仲間からは「いづみさん」と呼ばれていることも多いようですよ。
特徴的である「一路真輝」という芸名の由来は、「真実一路」という言葉からのようです。
実は、入団当初の芸名は、「一路万輝」でした。
1987年に自然気胸という肺に穴が開いてしまう病気を患い、入院のためにしばらく休演となります。
この頃にお父様が何か警察トラブルを起こしていたという噂もあり、運気を変える目的で「真輝」に改名したのではないでしょうか。
タカラジェンヌといえば「いいとこのお嬢さん」というイメージが強いので、実は苦労人という一路真輝さんは少し意外ですね。
一路真輝:すごい歌唱力!芝居やダンス実力は?踊らない理由はなぜ?
一路真輝さんといえば、まずはその圧倒的な歌唱力です。
タカラジェンヌに名シンガーと呼ばれる人はたくさんいますが、一路真輝さんレベルはもう「別格」と言っていいでしょう。
音域は3オクターブで、男役特有の低音から、男役があまり使わない高音まで出せる稀有なスターでした。
ゆえに、物語のほとんどが高難度の楽曲で構成されている『エリザベート』の日本初主演をするのに相応しい舞台人、と判断されたのでしょうね。
一路真輝さんは雪組で育ち、雪組でトップスターとなりました。
雪組は日本物のお芝居に定評がある組です。オーバーな所作や台詞回しで誤魔化しがきかない日本物では、自然と演技力も磨かれます。
一路真輝さんは圧倒的な歌唱力に加え、確かな演技力でも「実力派」と言えるでしょう。
一方でダンスのほうはというと、実は先天的に股関節に障がいをお持ちのようで、「あまり踊らないスター」ではありました。
そんなハンデがあってもなお、誰もが「実力派」と認めるまでに努力されていたスターだったわけですね。
ちなみに、私が人生で初めて宝塚を観たのが、一路真輝さん2番手時代の『花幻抄/恋さわぎ/スイート・タイフーン』(1991年)でした。
他のタカラジェンヌはみんなショー用に金髪や茶髪にしていた中、一路真輝さんだけが黒髪で、それが本当に素敵だったことを覚えています。
「あの黒髪の人がかっこよかった!!」と言いながら帰路についたことを覚えています(#^^#)
一路真輝の相手役は誰?宝塚時代のエピソード天海祐希との仲は?
1993年、一路真輝さんは入団12年目で雪組トップスターに就任します。
最初の相手役は、紫とも(むらさき とも)さん。
紫さんは、一路真輝さんの前任トップスターである杜けあき(もり けあき)さんの相手役だったので、そのまま続投というかたちでした。
紫さんと2年間一緒に組んだ後に迎えた相手役が、のちに「女帝」と呼ばれることになる、花總まり(はなふさ まり)さんでした。
今から思えば、トート:一路真輝、エリザベート:花總まり、という布陣で『エリザベート』初演を迎える狙いが、ずいぶん前から劇団にはあったのでしょう。
つまり、初演のタイトルロールを演じるのに相応しいのは花總まりしかいない!ということでもあったわけです。
そんなスゴツヨ娘役を相手役に迎えられたことも、一路真輝さんの運の強さを象徴しています。
ちなみに、花總さんはそのあと組替えを経て12年間もトップ娘役に君臨しつづけ、「女帝」と呼ばれるまでになりました(・□・;)
また、一路真輝さんは天海祐希さんとちょうど同じ期間にトップを務めていたこともあり、当時よく一緒に温泉や食事に行ったりしていたそうな。
一路真輝さんと天海さんは5学年差がありますので、一路真輝さんがとても可愛がっていたのでしょうね。
一路真輝:エリザベート初演!退団はいつ?
一路真輝さん率いる雪組が日本で初めて『エリザベート』を上演したのが、1996年でした。
そしてそれが一路真輝さんの退団公演です。
オーストリア発祥のミュージカル『エリザベート』は、日本人にとって、宝塚ファンにとって、それはそれは衝撃的でした。
- そもそも死神が主役ってナニ?
- 死神とオーストリア皇后の愛の物語??
- 強烈なメイク!白髪のロン毛!!
- ほとんどが歌!!
- しかも不協和音!!!
- 一路さんの退団作品がコレなの?!
などなどの不安要素があまりに多く、一路真輝さんをはじめとする初演メンバーの雪組生は「大コケするかも」という覚悟を持って初日に臨んだそうです。
無事に初日を追えて緞帳が下りた瞬間、客席は一瞬の沈黙のあと、鳴りやまないほどの大喝采!!
それを聞いた雪組メンバーは本当に嬉しかったそうな。
初演を生で観た宝塚ファンも、「あのときの衝撃は忘れられない」といまだに語り継いでいます。
今でこそ、「エリザベート=人気作」という方程式が確立しています。
しかし、あの難解な作品を一から紐解いて悩みながら作り上げていった一路真輝さんと雪組初演メンバーは、本当にすごい偉業を成し遂げたと思います。
なぜか、「退団公演に良作無し」なんて言われてしまうことの多い宝塚。
「天才ミュージカルスター、一路真輝」の集大成を見せられた『エリザベート』で退団できたことも、強運の持ち主と言えますね。
一路真輝:結婚や再婚は?夫や子どもは?性格は?
元トップスターは、結婚せずにそのまま独身を貫く人のほうが多い印象です。
一路真輝さんも、誰がどう見ても退団後そのままミュージカルスターとして大活躍していく人でしたので、あまり結婚のイメージはありませんでした。
実際、退団後10年間も独身でした。
しかし、意外や意外、なんと2006年に俳優の内野聖陽(うちの まさあき)さんと出来ちゃった婚!
- 2006年5月:婚約発表
- 2006年7月:妊娠発覚
- 2006年7月末:入籍
- 2006年10月:女の子を出産
という時系列ですので……妊娠7か月目にあたる7月に妊娠発覚というのは少し無理があるような(^^;)
当時、一路真輝さんは40歳という高齢出産だったので、発表は慎重になっていたのかもしれませんね。
育児に専念するため、仕事は無期限の長期休業としました。
そして2010年、ついに舞台出演を再開しますが、「やっぱり仕事を」という気持ちが強くなってきたのか?残念ながら2011年に離婚。
結婚前にも内野さんとは「お互い結婚に向いてない性格だね」と言い合っていたそうなので、想定内だったのかもしれないですね(^^;)
離婚後も関係は良好で、友人のような感覚で仲良くしているそうです。
一路真輝さんのご両親は、一路真輝さんが宝塚在団中に離婚しているそうなので、そういう影響もあったのかもしれません。
一路真輝:現在の活躍は?事務所はどこ?舞台やテレビの出演は?
超実力派トップスターとして名を残し、退団後も大作・名作に出演を続け、結婚・出産も経験した一路真輝さん。
現在もミュージカル界の筆頭として輝き続けています。
所属している事務所は、東宝芸能です。
東宝芸能といえば、長澤まさみさんや浜辺美波さんなども所属する大手プロダクションです。
宝塚OGではこんな面々が所属しています。
- 瀬奈じゅん(せな じゅん)
- 遠野あすか(とおの あすか)
- 朝夏まなと(あさか まなと)
- 蒼乃夕妃(あおの ゆき)
一路真輝の主な出演舞台
- 1999年『王様と私』アンナ 役
- 2000年、2001年、2004年『エリザベート』エリザベート 役
- 2002年、2017年『キスミーケイト』リリー 役
- 2005年『モーツァルト!』ヴァルトシュテッテン男爵夫人 役
- 2006年、2010年『アンナ・カレーニナ』アンナ 役
- 2019年『細雪』幸子 役
- 2021年『刀剣乱舞』高台院 役
一路真輝の主なテレビ出演
- 1997年 大河ドラマ『毛利元就』雪の方 役
- 1997年~2003年『渡る世間は鬼ばかり』山口美智 役
やっぱり一路真輝さんを国民的女優にしたのは、『渡る世間は鬼ばかり』でしょうか。
宝塚をよく知らない年代や地域の人(特に男性)には、このドラマで一気に認知度が高まりましたね。
近年では、大人気2.5次元舞台『刀剣乱舞』への出演も話題でした!
今までと違った客層にもその実力が周知されていっているのは、ファンとしてとても誇らしい限り。
女優のトップランナーとして、舞台でも映像でもまだまだ活躍を期待したいですね。
まとめ♪一路真輝:若い頃はすごい歌唱力の宝塚トップ男役でエリザベート初演!
一路真輝さんは元雪組トップスターです。生年月日は1965年1月9日1982年に宝塚歌劇団の68期生として入団しました。
身長は164センチと小柄。ずっと男役でしたが、娘役にも違和感なく演じられる「二刀流」として活躍しました。
本名は石川いづみで、愛称は「いちろ」「いっちゃん」「いづみさん」と呼ばれています。芸名の「一路真輝」は、「真実一路」という言葉からきています。入団時は「一路万輝」でした。
彼女は歌唱力において圧倒的な才能を持ち、3オクターブの音域を持っています。演技力も確かで「実力派」として知られています。ただし、先天的に股関節の障がいがあり、ダンスはあまり得意でした。
1993年にトップスターに就任。相手役は、紫とも(むらさきとも)さん、次に花總まり(はなふさまり)さんです。
1996年に日本初演となる『エリザベート』で退団。大成功をおさめます。
退団後は『エリザベート』をはじめ、数々のミュージカルや舞台で活躍。所属は東宝芸能です。
退団10年後には共演をきっかけに内野聖陽(うちの せいよう)さんと結婚。女の子が生まれますが、数年後に離婚。今はいい友人関係だそうです。
女優のトップランナーとして舞台や映像で活躍し続けています。
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