和希そら雪組時代から退団へ!理由はなぜ?主演作・代表作は?異例づくしの宝塚人生から今後は?

宝塚歌劇団雪組の元男役スター、和希そら(かずき そら)さん。

衝撃の退団を経て、すぐに美しい女性姿に変身してファンを驚かせました。

退団1作目となる舞台、『9 to 5』への出演を控え、更に超話題作『SIX』への出演も発表となり、「さすが和希そら!」とファンを喜ばせています。

前回までに、和希そらさんの基本情報若手時代のエピソード宙組時代の活躍をお伝えしてきました。

そして今回は和希4部作の最後となる、雪組公演時代から退団までに関するエピソードをお送りします。

トップスターを見据えていながらなぜ退団の道を選んだのか、多角的に推理してみたいと思います。

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和希そら:雪組オデッセイ(Odyssey)がコロナで中止するも新しい風を吹き込む!

雪組に来て一発目の作品は、梅田芸術劇場で公演されるショー作品『ODYSSEY』(オデッセイ)で鮮烈なデビューを飾る予定でした。

念願のショー作品ということもあり、和希ファンとしては「これが和希そらだ!すごいだろ!!!」と雪組生と雪組ファンに胸を張る気満々でした。

しかし、なんとコロナの蔓延で全公演、中止……。

和希そらさんの宙組時代後半に始まったコロナ時代。和希そらさんも多くの作品で中止を経験しました。

しかし、「全公演」というのはさすがに初めての経験。

しかも、雪組生としてのお披露目作品であり、大活躍が目に見えていたショー作品。あまりに楽しみな要素が詰まっていました。

幻と消えたこの『ODYSSEY』の公演プログラムだけは販売されました……。

各場面のキャスト表を見ると、トップスター・彩風咲奈(あやかぜ さきな)さんと組んで踊る場面も用意されていました。しかも、役名は「カルメン」。得意の女役!

カルメンとなって彩風さんと一緒に激しく踊る和希そらさん、本当に本当に見たかった……泣泣(´;ω;`)

『ODYSSEY』は時を改めて約半年後に公演されることが決まりましたが、残念ながら和希そらさんは他の公演チームでした。

和希そらさんのいない『ODYSSEY』が公演されたことも、またファンとしては悔いの残る出来事でした。

しかし、お稽古場では和希そらさんの存在は雪組生にとって衝撃だったようでした。

すごいすごいと噂には聞いていたけど、本当にすごい!と絶賛の嵐。

宝塚というのは各組によってお稽古場のルールや雰囲気、お稽古着までかなり違うと聞きます。

宙組仕込みの空気を纏ってお稽古場で役を作り込み、華麗にダンスを舞う和希そらさんは、雪組生にとって憧れの存在となったようですね。

雪組はアットホームで家族的な空気感を持つ組だそうなので、和希そらという新しい風は大変に刺激となったのではないでしょうか。

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和希そら:彩風咲奈・朝美絢との絆

その後、宝塚大劇場公演『夢介千両みやげ/センセーショナル』でようやく雪組生としてお披露目。そこで彩風さんと改めてデュエットダンスを披露した和希そらさん。

身長がかなり違うのになぜか完璧にシンクロした、2人のダンサーが繰り広げたこの場面。まばたきを完全封印して見たいほど、本当に絶品の名場面となりました。

この場面でしっかり組めたことで、彩風さんとも言葉を交わさなくてもわかり合えるような、強い絆が生まれます。

ちなみに、和希そらさんの退団公演のショーでもやはり2人のデュエットダンスの場面が作られました。

当時の雪組にとって、彩風&和希というダンサーコンビのデュエットダンスはもう名物となっていましたね。

また、2番手スターの朝美 絢(あさみ じゅん)さんも和希そらさんの1学年上ということもあり、優しい朝美さんは和希さんを大変に可愛がってくれました。

残念ながら朝美さんとがっつり組めた作品はまわってこなかったので、もっと2人のかけ合いが見てみたかったな、という思いは残りますが……。

12年もいた馴染んだ組を離れたことや、和希そらさんの人見知りの性格もあって、ご本人も組替え前はナーバスな気持ちにもなったでしょう。

しかし、トップスターの彩風さんや2番手スターの朝美さんが大変に可愛がってくれたことで、和希さんがリラックスして舞台に立てていた部分も大きかったように思いますね。

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和希そら:雪組『心中恋の大和路』相手役は夢白あや!異例の特別公演!

雪組の3番手スターとして新たに歩み始めた和希そらさん。

最初の別箱主演公演は名作『心中・恋の大和路』でした。和希そらさんで、なんと6回目の再演となったほど、宝塚にとって財産でもある作品。

人形浄瑠璃の名作『冥途の飛脚』が原作になっているので、世界観や台詞まわし、メイクなどが非常に独特です。

ゆえに、この主人公・忠兵衛を演じられる役者は限られています。

この忠兵衛は、宝塚スターが演じていいの?!というほど本当に情けない男(笑)。ですが、それだけにダメ男を素敵に見せてしまう技量を持ったスターしか演じることができません。

しかも「船場言葉(せんばことば)」と呼ばれる大阪商人の独特な抑揚のある方言に感情を乗せなくてはいけないのです。

岡山県出身の和希そらさんにとっても、非常に難しい挑戦だったことでしょう。

ヒロインとなる遊女・梅川を演じたのは、後にトップ娘役となる夢白あや(ゆめしろ あや)さんです。

夢白さんも宙組から雪組に来た経歴の持ち主なので、和希そらさんとは同郷のような存在です。

そのあたりも、和希そらさんにとってはやりやすい部分があったのではないでしょうか。

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和希そら:雪組『心中恋の大和路』中止と異例の特別公演!コロナ禍

そしてこの公演もまた、コロナに襲われます。梅田芸術劇場での公演は千秋楽公演も行うことができず、不完全燃焼のまま東京公演へ。

しかし東京公演も初日からいきなり中止の発表が。

突然の中止発表にはもう慣れてもいいほど、当時は中止中止の連続でしたが、やっぱり最後まで慣れませんでしたね……。

チケット代は戻ってきても、そこまでの交通費、宿泊費。なによりも、激戦を制してようやく確保したレアチケットが水に流れてしまう無念さ。

必死にお稽古を積んできたのに本番をほとんど迎えられない出演者たちのほうがよほど無念なのでしょうから、我々ファンは悲しみを胸にしまって静かに再開を祈ることしかできませんでした。

『ODYSSEY』に引き続き、『心中・恋の大和路』東京公演も全日程中止か?!と思われましたが!

なんと、異例中の異例、公演期間を1日伸ばすという措置が取られます!

劇場の空き都合もあるでしょうし、公演日程を変更するなんて聞いたことがありません。

『夢千鳥』でも異例のディレイ配信、『心中・恋の大和路』でも異例の公演期間延長。

「どうにか公演させてやりたい」と思わせる存在、和希そら。ということでしょうか。

「劇団に愛されているなあ」と思ったものでした。

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和希そら:雪組『双曲線上のカルテ』主演!相手役は華純沙那(かすみ さな)堂々たる雪組3番手スターに!

コロナに振り回されつつも、少しずつ通常公演に戻っていった宝塚。

和希そらさん自身もどうやらコロナに罹患してしまったようで、再開直後の鼻声をずいぶん心配しましたが、『心中・恋の大和路』をなんとかやりきりました。

これで「正式3番手」と言えるひとつの条件、「主演作品を東京で公演する」(東上と言います)もクリア。

順調に雪組3番手スターとなっていきました。

その翌年、再び東上を含む主演作品『双曲線上のカルテ』の主演も発表されます。こちらも、2012年に雪組で公演された作品の再演になります。

『双曲線上のカルテ』の原作は渡辺淳一の小説『無影燈』です。型破りではあるが優秀な外科医、フェルナンドを演じた和希そらさん。

そして皮肉にもフェルナンド自身が病魔に侵されていくという、命をテーマにした大変難しい作品に挑戦しました。

相手役は華純沙那(かすみ さな)さんで、まだ入団4年目で経験も実績も「新人」でした。

和希そらさんは、そんな彼女を上級生として導く役割も担っていました。

劇団としても、これから雪組を引っ張っていく立場となる和希そらさんに、この公演でそういう部分も学んでほしいという思いがあったように感じます。

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和希そら:雪組『双曲線上のカルテ』主演!千秋楽挨拶が話題に!退団の予感?

伝説のバウホール作品『夢千鳥』でも、鳥肌が立つようなソロダンスシーンを披露してファンを驚かせた和希そらさん。

この『双曲線上のカルテ』でも同じようにソロダンスシーンがあり、『夢千鳥』よりもさらに表現力が増していた和希そらさんに息を吞んだものでした。

これでまたひとつトップへの道を確かなものに!とファンは誇らしく思っていました。

しかし。

千秋楽で披露した挨拶がファンをザワつかせます。

「たとえそれが今までに無かった道だとしても、誰かから見て不正解だと言われる道だとしても、自分が選んだ道を、一度きりの人生を後悔なく生きる」

この意味深な内容に、「まさか……?いやいや、そんなはずは……3番手まできてそんなはずは……」と和希ファンは一抹の不安を覚えることとなりました。

劇中のフェルナンドは、医者だからこそ自分の病気が治らないことを確信し、自分で自分の人生を選び取ります。

そんなフェルナンドの潔い生き様に和希そらさんも深く感銘を受けたのでしょうか。

この時のファンの「一抹の不安」は、現実となってしまうのでした……。

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和希そら雪組:退団前ディナーショーVie.(ヴィー)圧倒的なパフォーマンス

大成功に終わった『双曲線上のカルテ』。なぞめいた千穐楽挨拶はありつつも、トップスターへの道は開かれたとファンも興奮冷めやらずにいたころ、あっけなく退団が発表されました。

ファンはもちろん、突然のニュースとタカラジェンヌもOGもみんなびっくり。

和希そらさんのスマホは。それ以来ずっと新着メッセージの通知がなり続けていたそうです。

「本当に退団するの……?本当に……?」と、ファンはまだその現実を受け止めきれないまま、退団公演のお稽古が始まり、卒業記念とされるディナーショーが発表になっていきました。

雪組の正式3番手スターですから、何かしらの卒業記念公演があるのだろうとは思っていました。

和希そらさんは屈指のダンサーなので、最後にダンスリサイタルが観たい……!と夢を抱いたファンでした。

しかし、今の宝塚の公演スケジュールではそこまでのお稽古期間を確保するのは不可能です。ディナーショーが妥当なところだろうというのが大方の予想でした。

予想通り、ディナーショー開催のニュースが発表となり、本当に退団するんだなと呆然としつつ、チケット確保への不安を抱きつつ……

ディナーショー当日にならないでほしい気持ちもあるし、何を歌ってくれるのか楽しみな気持ちもある。複雑すぎる想いを各々が抱えながら当日がやってきました。

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和希そら雪組:退団前ディナーショーVie.(ヴィー)圧倒的なパフォーマンス

ちょうどクリスマスということもあり、華やかなクリスマスメドレーから始まりました。

そのあとは過去作品の名曲を振り返りつつ、「和希そらの声で聴いてみたい!」というファンの願いを叶えてくれたり、ディナーショーでは異例の激しいダンスコーナーもあり。

ご本人曰く「和希そらの夢叶えたろかスペシャル」だったそうです(笑)

退団への悲しい思いが吹っ飛んでしまうほど、和希そらの才能を爆発させた圧倒的なパフォーマンスでした。

一般的に、ディナーショーの公演時間は長くても1時間です。

しかし、『Vie.』は大サービスの2時間!!

途中でMCが入ったり、他出演者のソロコーナーがあったりはするものの、それだけの時間を歌いっぱなし踊りっぱなしというのは、「さすが和希そら」としか言えませんね。

「こんなとんでもない才能を失うことになるのか宝塚は……」としみじみ思いふけりながら帰路についたことを思い出します。

ちなみに、この公演タイトル『Vie.』は「人生」という意味だそう。最後のピリオドも何か深い意味が……?と思いきや、「ただかっこいいからつけた」というところも和希さんらしくていいですよね(*^▽^*)

『Vie.』は、退団後のファンクラブ名にもなっていきます。

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和希そら:退団理由は?

過去にも、2番手・3番手のスターが退団を選ぶことはあったので「前代未聞」というわけではありません。

しかし、雪組に来てまだたった1年であることや、あと数年待てばトップ就任が見えていたことを考えると、ファンは「なんで?どうして?」という思いしか抱けませんでした。

そうなることが分かっていたから、「誰かから見て不正解だと言われる」ということだったのでしょう。

また、個性的なキャラクターも含めて多くのファンに愛されていたこと、そしてなにより、誰もが認める圧倒的な実力。

和希ファン以外からも「宝塚に居てもらわなきゃ困るんだけど!!!」という悲しみの大合唱でした。

しかし、いくらファンが「辞めないで!!!」と叫んでも、非情にも退団の日はどんどん近づいてきます。

退団を発表してから、宝塚専門チャンネルへの出演や、「お茶会」と呼ばれるファンミーティングで和希そらさんの言葉を聞く機会はありました。

しかし、退団理由はもちろん、退団に関するエピソードを一切語らなかった和希そらさん。

退団を発表したタカラジェンヌは、最後のお稽古場での様子や、同期生や組子たちがどんな反応だったのか、今どんな風に最後のときを過ごしているのかなど、退団にまつわるいろいろなエピソードを話してくれます。

しかし、和希そらさんは最後まで何も語りませんでした。

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和希そら:退団理由は語らないまま劇団を去る

退団公演のショーで、和希さんのためにサヨナラ仕様になっていた場面に関しても「特に退団ということを意識しているわけではない、いつも通りにやっている」と話すのみ。

退団後に出演したラジオでも、やはり退団理由に関する質問はやんわりスルーしていますし、何が決め手で「辞めよう」と思ったのかはいまだ不明です。

ネガティブな理由ではなく、ただ「外の世界が見てみたくなった」「新しいことに挑戦したくなった」だけなのかもしれません。

しっかり公私を使い分けたいタイプのようなので、心の深い部分はあまり知られたくないのかもしれませんね。

在団中、和希そらさんが演じてきた代表作や評判の良かった役柄を思い返してみると、ご本人の明るいキャラクターとは対極にあるような、影のある役が浮かんできます。

  • 『壮麗帝』イブラヒム
  • 『夢千鳥』夢二
  • 『蒼穹の昴』順桂(シュンコイ)
  • 『双曲線上のカルテ』フェルナンド

和希そらさんの演技力の高さゆえにこのような難しい役を見事に演じ切ったのは間違いないでしょう。

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和希そら:退団後はきれいなお姉さんに!今後の活躍は?

一見「元気いっぱい!一発ギャグ得意!」の和希そらさんは、最後の挨拶までおどけたりプーさんのセリフのモノマネをしたり、明るく劇団を去っていきました。

しかし、先ほどお伝えしたように代表作を並べてみると、演じた役たちの影に共鳴するような部分が間違いなくあったように思います。

ご本人もご自身のことを「スーパーポジティブ」とは言っていますが、このタイミングで退団を決めて、その理由を一切語らなかったあたり、想像以上に奥深いものを持った人のような気がしますね。

退団直後に開催したクルーズディナーショーではすっかり綺麗なお姉さんになった姿で登場し、ファンを驚かせた和希そらさん。

なかなか大胆な衣装を着てみせたので、「出したいタイプなのか!!」と驚いたものでした(笑)。

退団一発目の舞台は、花組元トップスター・明日海りお(あすみ りお)さんとの共演が話題を呼んでいます。

得意のダンスも、レッスン風景がインスタにアップされているので、いつか見せてくれる日が来るのでしょう。

舞台女優として世に解き放たれたスーパー舞台人・和希そらさんが、これから一体どんな新たな挑戦を見せてくれるのか、本当に本当に楽しみです!

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