「元宝塚トップスターの女優」と聞けば、まず最初に涼風真世(すずかぜ まよ)さんを思い浮かべる方は多いですよね。
宝塚OGの中でもレジェンド級の知名度の涼風真世さん。
退団後の活躍はもちろんのこと、宝塚在団中も伝説的な人気を誇り、「第2次ベルばらブーム」を巻き起こしました。
涼風真世さんは宝塚時代にどんなスターだったのか、様々なエピソードと共にご紹介していきます。
涼風真世:すごい歌唱力!年齢は?伝説のタカラジェンヌ
涼風真世さんの魅力といえば、中性的な美しいビジュアルの他にも歌唱力の高さに定評があります。
感情を歌にのせるのが抜群にうまく、聴いている側の耳に残る特徴のある声質も、涼風真世さんの強みと言えます。
高音から超低音まで音域も広く、七色の声を使い分けます。
涼風真世さんの生年月日は1960年9月11日。
なんと……既に還暦を過ぎています……!!
涼風真世:「昔妖精、今妖怪」って?退団はいつ?
このあまりの「美魔女」ぶりのせいか、ご本人はご自身の自己紹介の際、こんなフレーズを一発ギャグのように使います。
「むかし妖精、いま妖怪。涼風真世です!」
涼風真世さんの当たり役は『PUCK』の妖精パック。
そしてタカラジェンヌは年齢がないフェアリー(妖精)と呼ばれていますので、それにかけた自虐ネタです(笑)
透き通るようなお肌の美しさやキュートな魅力もさることながら、涼風真世さんにはなんとも言えない「浮世離れ感」みたいなものがあります。
涼風真世さんは1993年に宝塚を退団。
退団セレモニーでは「妖精は森へ帰っていく」と言われました。
余談ですが元月組2番手だった美弥るりか(みやるりか)さんは当時小学生で、ファンクラブの一員として見送るファンのガード(整理要員)に入っていたと語っていました(^_-)-☆
2021年に宝塚月組は生誕100周年を迎え、そのアニバーサリー公演に私は足を運びました。
アンコールの際、他のOGの皆さんはコンサート用にドレスアップしている中、なんと涼風真世さんは可愛らしいジーンズ!!!
一般的なドレスをチョイスせずに、あくまで「自分流」を貫くあたりに「むかし妖精、いま妖怪!」と自虐ネタをかましてしまうお人柄がよく表れていました(笑)
そこでの挨拶も皆さんはかしこまったことをお話しする中、涼風真世さんは「いえーい!」のようなテンションで(笑)
「妖怪どころか現役フェアリー!」という印象でしたね(*^▽^*)
涼風真世:結婚は?退団はいつ?現在は?
先ほどお伝えした通り、1993年に退団。すぐにテレビドラマや舞台で活動を始めます。
そして2004年には元ラグビー日本代表選手の今泉 清さんと結婚を発表しました。
この、元アスリートと元タカラジェンヌの結婚は大いに祝福されました。しかも、今泉さんは元サントリーの社員。
サントリーは阪急グループと縁が深いということも、宝塚ファンが盛り上がった理由のひとつでした。
しかし、残念ながら結婚は6年で解消……
涼風真世さんはとても可愛らしい人ではありますが、今泉さんのほうが7歳年下ということもあったのでしょうか。
あとは、あまりに涼風真世さんが美しく魅力的なため、他の男性からのお誘いもかなり多かったようです。
女優業も第一線で継続されていましたし、一人のパートナー、ひとつの家庭の中でおさまっておくことに向いていなかったのかもしれませんね。
現在も再婚はせずに独身のまま、美貌にさらに磨きをかけて女優として大活躍されています。
元トップスターでは、独身の人のほうが多いような気がしますね。
精神的に自立していて、自力で充分な収入が確保できるということから、そのような傾向になるような気がします。
涼風真世:若い頃は男役?娘役?本名、身長、愛称(あだ名)の由来は?
涼風真世さんの若い頃のタカラジェンヌだと知っていても、娘役だったと思っている方も多いようです。
涼風真世さんはいまも大変に美しく、ボーイッシュな感じはあまり見受けられないので元娘役という印象を持つ人もいるかもしれません。
確かに163センチという娘役に近い身長ですが、入団当初から男役です。
涼風真世さんの本名は森永 佳奈女(もりなが かなめ)さん!可愛らしいお名前ですよね!
愛称はそのまま「かなめ」さんです。
かなめさんといえば、宙組トップスターだった凰稀かなめさんを思い浮かべる方もいるかもしれません。
私は、涼風真世さんの愛称にちなんだのかな?と思っていましたが、凰稀かなめさんは、芸名を決める時に涼風さんの愛称が「かなめ」だったとは知らなかったそうです。
宝塚の男役にも様々なタイプがあり、その中でも「フェアリー系」に分類される筆頭が涼風真世さんではないでしょうか。
「フェアリー系」とはつまり「中性的」という意味になりますが、むしろ、だからこそ男役として成立させるための努力が求められます。
男役は男役ですから、どこかに「女性」を感じさせてしまったら元も子もありませんよね。
所作も発声も佇まいも完璧に男役ではあるけれど、男性か女性か分からないような小悪魔的な魅力がある。
だからこそ、「フェアリー系」でいられたのではないかと、私は個人的には思います。
涼風真世の宝塚入団退団はいつ?同期は誰?
涼風真世さんは宝塚歌劇団67期生として1981年に宝塚に入団し、1993年に退団しました。
同期生にはこんな面々がいます。
- 真矢みき(まや みき)/元花組トップスター
- 黒木 瞳(黒木 ひとみ)/元月組トップ娘役
- 梨花ますみ(りか ますみ)/月組組長
涼風真世さんも真矢さんも黒木さんも、退団後に芸能界で大活躍しているすごい学年ですね!
OGイベントのトークで、真矢さんは「涼風さんや黒木さんは音楽学校時代からすごい美人で、いつも教室で二人に見とれていた」とおっしゃっていました。
ただ、涼風真世さん、真矢さん、黒木さんは同期生ならではの交流はそれほど濃くなさそうですね。
また、現役生である梨花ますみさんは花組・月組・雪組で組長/副組長経験のあるスゴイ人です!
涼風真世さんは1981年の組配属から一度も組替えは無く、生粋の月組生です。
入団3年目でいきなり新人公演主演に抜擢され、その後もエリート街道まっしぐら。
月組のトップスターに就任したのは入団10年目で、これはかなり若い学年での就任になります。
宝塚には「男役10年」という言葉があり、男役を極めるには10年が必要、という意味です。
平均的なトップ就任学年は入団13年~15年あたりで、「男役10年」を過ぎて最も脂が乗っている時期になります。
涼風真世さんは「男役10年」を迎える頃にはもう男役が完成されていた、ということですね。
涼風真世:伝説のオスカル役!アンドレ役は天海祐希!
涼風真世さんのトップお披露目公演は、あの『ベルサイユのばら』だったということも、涼風真世さんの人気を更に高めました。
涼風真世さんが演じていた頃の『ベルサイユのばら』は、いわゆる「平成のベルばら」「第2次ベルばらブーム」と言われるものになります。
宝塚歌劇団というものを一気に全国区に広めたのは、言わずと知れた『ベルサイユのばら』ですが、それは1974年。
そこから数年間、ベルサイユのばらの上演が続きましたが、しばらく封印。
13年ぶりに満を持して再演が決まったのが、涼風真世さんらがオスカルなどを演じた「平成ベルばら」でした。
ベルばらにふさわしいスターがやっと現れたという劇団側の判断だったそうです。
やはり宝塚歌劇団とベルサイユのばらは大変に相性が良く、平成ベルばらでも一大ブームとなります。
特に宝塚ファンでなくても、「涼風真世」「天海祐希」という人の名前は知っているほどでしたね。
オスカルという役は「男装の麗人」であるため、男役なら誰でも演じられるような役ではありません。
大前提として「誰もが認める高貴な美しさ」を持ち、男役ながらどこかに女性らしさも残している人にしか演じることはできません。
そのような条件に、フェアリー系の涼風真世さんはまさにピッタリ!
また、この時にアンドレ役を演じた天海祐希(あまみ ゆうき)さんも男らしいハンサムタイプだったため、本当に神的な配役となりました。
涼風真世さんは2番手時代にも何度もオスカルを演じていたため、お披露目公演がベルサイユのばらだったのはファンも満場一致でしたね。
涼風真世と天海祐希との仲は?相手役は誰?代表作は?
入団10年目という早さで月組のトップスターに就任した涼風真世さん。
このとき2番手として涼風真世さんを支えていたのは、さきほどお伝えしたように天海祐希さんです。
天海祐希さんも、2番手スターでありながらこの時まだ入団4年目!!
いくら天海さんが天才的だったとはいえ、たった4年前に舞台に初めて立った人に組を背負わせてしまう歌劇団もなかなかですよね(笑)
このように、宝塚はご本人たちが望んで出世する組織ではありません。
まだ舞台経験が浅いのに大抜擢が続いてしまった涼風真世さんも、天海さんも、とにかく必死だったのではないでしょうか。
涼風真世さんが、悩む天海さんに手紙で「私はゆりちゃん(愛称)のアンドレが好きです。」と伝えてフォローしたり。
そのせいか、お2人には戦友にも似た感覚があるようです。
涼風真世さんは退団直後に、天海さんに「これでやっと友達になれるね」と言葉をかけたそうです。
天海さんも涼風真世さんの退団日には涙をこらえていたものの、退団翌日にはすべて放出するかのように涼風真世さんの前で大号泣したそうですよ。
涼風真世さんの相手役は、麻乃佳世(あさの かよ)さんです。
麻乃さんは宝塚ファン時代から「あの可愛い子、ダレ?!」とファンの間で有名になるほど。涼風真世さんからも既に知られていた存在だったそうな!
涼風真世さんの大ファンで、その数年後にまさか相手役になれるなんて、夢のような話ですよね。麻乃佳世(あさの かよ)さんは、天海祐希さんの相手役もつとめます。
涼風真世さんは、若手の頃の早いトップ就任で、2年半という早さであっという間に退団されてしまいました。
涼風真世さんの代表作は、ベルサイユのばら以外に、『銀の狼』、『PUCK』、退団公演の『グランド・ホテル』など。全てが代表作と言ってもいいでしょう。
『銀の狼』では妖しい魅力の美しすぎる殺し屋、『PUCK』は妖精そのもの、『グランド・ホテル』では冴えない中年男。
芸域も広さも、涼風真世さんの才能の高さを稀有なスター性を物語っています。
涼風真世:歌声が変幻自在!エリザベートや舞台で活躍!テレビ出演は?
涼風真世さんは高い歌唱力ゆえに、退団後もあの『エリザベート』の皇后エリザベート役と、皇太后ゾフィー役を演じました。
つまり若い声も年配の声もお手の物ということですね。
『エリザベート』は宝塚版も東宝版もありますが、エリザベート役とゾフィー役の両方を演じたことのある人は涼風真世さんだけではないでしょうか!
涼風真世の主な出演舞台
- 2003年『ミー・アンド・マイガール』ジャッキー 役
- 2006年『マリー・アントワネット』マリー・アントワネット 役
- 2007年・2010年・2011年『モーツァルト! 』ヴァルトシュテッテン男爵夫人 役
- 2008年『エリザベート』エリザベート 役
- 2011年・2013年『ロミオ&ジュリエット』 キャピュレット夫人 役
- 2014年・2017年『レディ・ベス』キャット・アシュリー 役
- 2016年『エリザベート』ゾフィー 役
涼風真世の主な出演ドラマ
- 1994年『織田信長』濃姫 役
- 1996年 大河ドラマ『秀吉』 おたき 役
- 1999年大河ドラマ『元禄繚乱』鷹司信子 役
- 2002年 大河ドラマ『利家とまつ』孝蔵主 役
- 2008年 大河ドラマ『篤姫』お由羅 役
涼風真世の事務所はドコ?るろうに剣心の剣心役!
涼風真世さんの所属プロダクションはというと、どうやら個人で事務所を立ち上げているみたいですね。
会社名はそのまま「有限会社 涼風真世事務所」のようです!分かりやすい!(笑)
これだけの実力の持ち主ですから、芸能プロダクションの強力なバックアップがなくても充分やっていけるのは納得です。
舞台やテレビドラマはもちろん、涼風真世さんはその特徴的な声を活かし、声優でも活躍!
中でも有名なのは、大人気漫画『るろうに剣心』のアニメで、主人公の緋村剣心を涼風真世さんが演じています。
るろうに剣心はテレビアニメ以外にも映画やゲームにもなっていますので、もちろんそのどれも涼風真世さんが剣心を演じています。
他に、CM出演やドキュメンタリーのナレーションなどでも素晴らしい活躍をされています。
涼風真世さんの歌声を楽しみにしているファンのためにCDも定期的にリリースしていますので、そちらも要チェックです!
「むかし妖精、いま妖怪」なんてギャグをかましている面白い涼風真世さんですが(笑)、妖怪なんてとんでもない!
卓越した実力で多方面で才能を発揮する、奇跡の60代としてこれからもまだまだ輝いてほしいですね。
まとめ:涼風真世:現在や結婚は?昔妖精今妖怪?天海祐希との仲や宝塚の伝説!男役?娘役?同期や相手役は誰?歌唱力がすごい!すずかぜまよ
涼風真世さんは、宝塚歌劇団月組の元トップスター、在団中は「ベルばらブーム」を巻き起こす人気でした。
1993年に宝塚を退団後は女優業に進み、2004年には元ラグビー日本代表選手の今泉清さんと結婚しましたが、6年で解消されました。涼風真世さんは現在も美しさと演技力で女優として活躍し、独身を貫いています。
涼風真世さんは、身長163cmで娘役に近い体格ですが、中性的な「フェアリー系」の男役として知られています。涼風さんは1981年に入団。同期に真矢みきさん、黒木瞳さん、梨花ますみさんがいます。
涼風さんは入団3年目に新人公演主演に抜擢され、男役10年を迎える頃には男役が完成されていたと言われています。入団10年目には月組トップスターに就任し、トップ娘役に麻乃佳世(あさのかよ)さんを迎えます。
お披露目公演は『ベルサイユのばら』のオスカル役。アンドレ役の2番手は入団4年目の天海祐希(あまみゆうき)さん。2人は戦友に似た感覚があるようで、退団後に「やっと友だちになれるね」と、涙を流し合ったエピソードもあります。
現在は舞台やテレビドラマ、声優として活躍しています。有限会社涼風真世事務所を立ち上げています。ファンのためにCDもリリースし、妖怪ギャグを言うお茶目な一面も持っていますが、多方面で才能を発揮し、奇跡の60代としてこれからも輝くことを期待しています。
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