元月組の娘役、羽桜しずく(はざくら しずく)さん。現在は中島 亜梨沙(なかじま ありさ)さんという芸名で女優活動をしています。
CMや大河ドラマなどにも出演しているので、宝塚時代を知っている人は「しずくちゃん!?」と驚く人も多いようですね。
当時の月組トップスター、瀬奈じゅん(せな じゅん)さんの相手役を務めながらも、月組トップ娘役にはならず、退団をされました。
トップスターの相手役をしながらも、トップ娘役ではないパターンなんてあるの?!と思いますよね。
そんな、イレギュラーな活躍をした羽桜しずくさんの宝塚時代、退団理由を一気に振り返ってみましょう。
羽桜しずく:宝塚何期?年齢は?同期は誰?芸名や愛称(あだ名)の由来は?
羽桜しずくさんは宝塚歌劇団89期生になります。
89期生といえば、非常に多くのスターを輩出した期として有名です。
- 明日海りお(あすみ りお)/元花組トップスター
- 望海風斗(のぞみ ふうと)/元雪組トップスター
- 夢咲ねね(ゆめさき ねね)/元星組トップ娘役
羽桜しずくさんもまさにスターの一人。早くからその美貌に大注目が集まり、娘役のエリートとして育ちました。
羽桜しずくさんの生年月日は、1982年12月22日。現在の芸名、中島 亜梨沙さんが本名となります。
愛称はそのまま「ありさ」ですが、宝塚時代は「しずくちゃん」と呼んでいる人が多かったように思います。
宝塚を退団後、芸名を変える人はごくたまにいますが、漢字だった部分をひらがなにするのみとか、変えたけど結局もとの芸名に戻すパターンが多いですね。
羽桜しずくさんのように、そっくり変えて活動する宝塚OGはかなり珍しいと言えます。
「もうタカラジェンヌではない」という気持ちの切り替えの表れなのでしょう。
確かに、宝塚時代は「可憐な娘役の代表格」というイメージだった羽桜しずくさんが、今はかなりチャレンジした役柄をこなしています。
新しい芸名を作るのではなく、あえて「本名で」というのも羽桜しずくさんなりの決意があるように感じますね。
羽桜しずく:歌唱力・ダンス・芝居は?宝塚時代の代表作やエピソードは?
羽桜しずくさんが最初に注目されたのは、やはりその美貌。
宝塚の娘役らしい、可憐で上品なお顔立ちや佇まいは「これは間違いなくトップ娘役路線だろう」と確信するものがありました。
最初に配属されたのは星組でしたが、入団2~3年目でいきなりピックアップするわけではなく、入団5年目で満を持して新人公演ヒロインに抜擢。
そのあたりも「劇団が大切に育てているな」という印象でした。
そしてその1年後に月組へ組替えとなります。
同期生である夢咲ねねさんは当時月組でエリート娘役として活躍していて、トレードのようなかたちで2人が入れ替わりました。
月組に行ってからの活躍もめざましいものがあり、新人公演を含めたすべての作品でヒロインを演じています。
特に、2008年の源氏物語の宇治十帖を原作とした作品『夢の浮橋』でのヒロイン・浮舟は、たおやかな空気感を持つ羽桜しずくさんにピッタリでした。
一転して、博多座公演『ミー・アンド・マイガール』では、霧矢大夢(きりやひろむ)さんの相手役として、活発なサリーを好演。
では、ビジュアル以外の面、実力のほうはというと…
そこが羽桜しずくさんの課題だったかもしれません。
歌、ダンス、芝居…どれも「及第点」ではあるものの、強みと言えるレベルには到達しておらず、そこがトップ娘役に至らなかった部分かもしれません。
特に、舞台人として「通る声」ではなかったことがいちばん大きかったのでは?と、個人的には思います。
歌が苦手なトップ娘役も少なくありません。
しかし、羽桜しずくさんの場合は台詞を喋る声がこもっていてあまりよく聞こえないことが多く、そこがいちばんの壁だったのかも、と感じます。
羽桜しずくは月組トップ娘役候補で組替え?
羽桜しずくさんが星組から月組にやってきたのは、瀬奈じゅんさんの相手役、彩乃かなみ(あやの かなみ)さんの退団公演の時でした。
新人公演で彩乃さんの役を羽桜しずくさんが演じましたし、「瀬奈さんの次のお嫁さん候補としてしずくちゃんが月組に来たのかな」とファンが思っていたところ……
「相手役を固定せずに公演をしていく」との発表があり、激震が走ります。
彩乃さんの退団が2008年7月、瀬奈さんの退団が2009年12月ですので、約1年半も瀬奈さんは「独身」でした。
「トップ娘役不在」という事態は、ごく稀に起こります。
しかし、それでも1~2作品のみの短い期間です。
1年半という長期間、瀬奈さんが独身で過ごし、作品ごとにヒロインが変わるという事態はかなり異例の出来事でした。
しかし、そうしてまで「相手役を置かない」という判断を貫いた宝塚歌劇団。
羽桜しずくさんを月組に異動させたのも、間違いなくトップ娘役として育てていくという目的だったはずです。
それならどうして羽桜しずくさんを相手役にしなかったのでしょうか?
人事に関しては誰も真相を語りませんので、明確な理由は明らかにはなっていませんが……
「総合的な判断」としか言えないように思います。
羽桜しずくはなぜトップ娘役にならなかった?
前任の彩乃さんの実力が大変に高かったことや、瀬奈さんとの相性も抜群だったことなどから、羽桜しずくさん自身が「私には務まらない」と感じた可能性もあります。
また、羽桜しずくさんは多くのタカラジェンヌのように「どうしても宝塚に入りたい!」と願っていたタイプではなかった、ということも考えられます。
「記念受験の気持ちで受けてみたら、受かってしまった」
このような入団背景を持つ羽桜しずくさんからすると、そんな自分がトップ娘役になんて…という気持ちがあったのかもしれません。
当時、羽桜しずくさんと並んで「瀬奈さんの相手役候補」と言われていたのが、城咲あい(しろさき あい)さんでした。
城咲さんが羽桜しずくさんとは真逆の「絶対にトップ娘役になる!」というタイプであったこともあるかもしれません。
それほど、トップ娘役になるために頑張っている人がいるのに、ポッと宝塚に入ってしまった自分がトップ娘役になんて…という気持ちがあったのかもしれないですね。
それでも「他組から適任者を探してくる」という選択もできたはずですが、なぜか「相手役不在」を選んだのは、やはりいまだに「謎」と言えますね。
羽桜しずくの退団理由は?退団はいつ?
月組に来てから、全作品でヒロインを務めてきた羽桜しずくさん。
「瀬奈じゅんの相手役は置かない」という驚きの選択をした月組で、瀬奈さんの次期トップスターの相手役になるのかな?とファンは思っていました。
当時の羽桜しずくさんは新人公演に出ている若手だったので、まだその可能性は充分にありました。
しかし、なんと衝撃の退団発表。
2009年、『ラスト プレイ/Heat on Beat!』で瀬奈じゅんさんと一緒に退団することを選びました。
ちなみに、さきほど名前の挙がった城咲あいさんも同時退団を選びました。
城咲さんの場合は、「トップ娘役への夢が叶わないなら次の道へ」という理由だったように思いますが、羽桜しずくさんの場合は……?
先ほどもお伝えした通り、羽桜しずくさんはまだ若い学年でしたので、退団するにはあまりに早い。
次期トップスターの相手役に、という構想ももしかしたら劇団側にあったかもしれません。
しかし、もし本当に「私にはトップ娘役は務まらない」という思いがあったのなら、モチベーション維持はなかなか難しいですよね。
目指すところがトップ娘役でないなら、どこを目指していいのか分からなくなっても当然のような気がします。
その表れなのか、退団後の羽桜しずくさんは、芸能活動ではなくカナダ留学という道を選びます。
環境をすべて一新して、自分が何になりたいのか見つめ直したかったのかもしれませんね。
英語を学ぶとともに、日本人の価値観とはまったく違う考え方・文化に触れたようで、留学から戻ってきた羽桜しずくさんはなんだかずいぶんと別人に見えました。
羽桜しずく:現在の芸名は?事務所はドコ?結婚は?
退団してすぐにカナダへ向かった羽桜しずくさん。
帰国後は、英語を活かしたお仕事でもするのかな?と思いきや、意外にも芸能活動を始めます。
2011年から、現在の中島亜梨沙(なかじまありさ)という名前で、映像でも舞台でも大活躍!
中島亜梨沙(なかじまありさ)さんについてはこちらもご覧くださいね。
中島亜梨沙(なかじまありさ)NHK大河ドラマでも活躍!結婚は?年齢や本名、経歴は?元タカラジェンヌ!ヘルドックスや最高の教師の演技や英語がすごい!
特に、人気クイズ番組『世界ふしぎ発見!』のミステリーハンターとして登場した時は「えっ?!しずくちゃんにそっくりだけど名前が違う…え?」と大騒ぎになったものでした(^^;)
現地で英語で話すことも多いであろうミステリーハンター、しっかり語学留学を活かしたお仕事ですよね!
所属事務所は、宝塚OGもたくさん所属するキューブ。
同期の夢咲ねねさんや、壮 一帆(そう かずほ)さん、音月 桂(おとづき けい)さん、仙名彩世(せんな あやせ)さんなどが所属しています。
同じキューブ所属でも、舞台を中心に活躍する宝塚OGが多い中、羽桜しずくさんは映像のお仕事がかなり多いほうです。
羽桜しずく:怪演ともいわれる演技力!芝居に磨きがかかる
以前はどこか遠慮がちにお芝居をしていた印象の羽桜しずくさんでしたが、留学から帰国後は何か覚醒したかのようです。
それでお芝居にも磨きがかかり、持ち前の美貌もあってドラマや映画にも引っ張りだこになったのでしょう。
大河ドラマ『真田丸』や『どうする家康』などにも出演していますので、お芝居の実力はお墨付きと言えますね。
そんなお美しい羽桜しずくさんですが、気になる結婚はというと……40代となった今も独身でいらっしゃいます!意外ですよね~。
宝塚OGは独身の方が多いので、きっとお仕事が充実されているのだろうと思います。
「羽桜しずく」時代では考えられなかった「怪演」と呼ばれるような演技も、「中島 亜梨沙」ならお手のもの。
しかし、根本には宝塚時代に培った基礎やお芝居に対する情熱があるのだと思います。
これからも「羽桜しずく」とはまた違った「女優・中島 亜梨沙」としての大活躍を期待しています
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