現在もいろいろなCMやドラマで活躍を続けている、風花 舞（かざはな まい）さん。
宝塚歌劇団の元月組トップ娘役です。
退団してもうかなり経つというのに、衰えぬその美貌は映像の世界でも引っ張りだこのようですね。
宝塚時代は歌も芝居もなんでもできるハイレベルな娘役でしたが、とりわけその中でもダンスには目をみはるものがありました。
しかし、ダンサーゆえの理由から、退団を決意されました。
風花 舞さんが宝塚時代にどのような娘役だったのか、様々なエピソードとともに詳しくご紹介していきます。
風花舞：年齢、本名、身長、宝塚何期？同期は誰？芸名や愛称（あだ名）の由来は？
風花 舞さんの生年月日は1971年6月6日。本名は宮崎優子（みやざき ゆうこ）さんです。
愛称は本名からそのまま「ゆうこ」。身長は164センチと、娘役の中では大きいほうに入ります。
風花 舞さんは宝塚歌劇団76期生になります。初舞台は1990年の花組公演『ベルサイユのばら フェルゼン編』です。
同期生にはこんなスターがいらっしゃいます。
- 彩輝なお（あやき なお）／元月組トップスター
- 純名里沙（じゅんな りさ）／元花組トップ娘役
- 月影 瞳（つきかげ ひとみ）／元雪組・星組トップ娘役
- 星奈優里（ほしな ゆり）／元星組トップ娘役
- 寿つかさ（ことぶき つかさ）／元宙組組長
- 樹里咲穂（じゅり さきほ）／元専科男役スター
- 高翔みずき（たかしょう みずき）／専科男役
大量のトップさんを輩出した優秀な期です！
特に娘役トップは4人も出ていて、正統派美人揃いでありながら実力もかなりハイレベル。「大豊作の期」と言っていいでしょう。
風花 舞さんをはじめ、星奈さん、寿さん、樹里さん、高翔さんと、ダンサー揃いであることも非常に特徴的です。
そんなメンツの中で、風花 舞さんは入団時の成績が2番という優秀者！
確かに、実力に穴のない素晴らしい娘役さんでした。
風花 舞という芸名の由来は、ちょっと調査しきれませんでしたが……ダンスが大好き！という気持ちが込められた芸名のように感じますね。
風花舞はダンス・バレエがすごい！
風花 舞さんといえば、とにかくその名ダンサーぶりが有名です。
宝塚に入る前は、東京の青山にある有名バレエスクール『松山バレエ学校』に所属。
コンクールで入賞するなど、バレリーナとして既に頭角を現していました。
そんな少女時代に、元花組トップスターであり「ダンスの神様」とまで呼ばれた大浦みずき（おおうら みずき）さんに憧れて、宝塚を目指したそうです。
「とにかくずっと踊っていたい」という思いで宝塚に入団した夢はどんどん叶っていきました。
初舞台生は、ショーでのラインダンスのみに出演することが一般的ですが、76期は「歌の純名、ダンスの風花」という布陣。
初舞台生ながら、本公演の場面で純名さんにはソロ歌唱が与えられ、風花 舞さんにはソロダンスの場面が与えられて話題を呼びます。
その後もどんどんダンスの見せ場が与えられ、ニューヨーク公演、ロンドン公演にも選抜されます。
バレエ時代の経験で、場面の中でソロダンスを与えられることには慣れていたので、当時は特になんとも思っていなかったそう。
あとになって「あれは異例なことだったんだ！」と気付いたそうです(笑)
バレエが得意で宝塚に入ってくる人は他にもたくさんいますが、「バレエが得意＝ダンサー」ということでもありません。
バレエ以外のダンスはそれほど…というタカラジェンヌも多い中、風花 舞さんはどんなジャンルのダンスでも完璧に踊りこなしました。
見ているほうが爽快な気分になるほど豪快かつ繊細で、「ああ、本当に踊ることが大好きなんだ」と一目で分かるようなダンスを見せます。
お顔立ちは可愛らしいのに、アダルトな雰囲気のダンスになれば一気に大人の女性に見えるような、表現力もずば抜けたものをお持ちでした。
風花舞の歌唱力や芝居は？宝塚時代の代表作やエピソードは？
では、風花 舞さんは「ダンサー」という位置づけでいいのか？というと、そんなことはありません。
歌も芝居も本当にスキルが高く、特に『バロンの末裔』という作品ではお芝居中に大号泣する熱演を毎回見せていました。
お互いの想いは通じ合っているのが分かっているのに、どうしても一緒になることができないと悟り、自暴自棄になる場面でした。あの熱演は忘れらませんね。
退団公演となった『黒い瞳』という作品では得意のダンスを盛り込んだ役でしたので、まさに「風花 舞にしかできない役」。
それでも、バレエしか経験の無かった風花 舞さんにとっては「芝居がどんなものか」を掴むまでにかなりの苦労をされたとか。
『WESTSIDE STORY（ウエストサイドストーリー）』には、ダンサーが憧れる名場面があります。
版権の関係で、宝塚で『WESTSIDE STORY』を上演する機会はなかなか訪れませんが、運よく風花 舞さんのトップ就任中にそのチャンスが。
本当はその名場面にどうしても出たかったのに、トップ娘役である風花 舞さんがその役を演じるわけにはいきませんでした。
うーん、残念。
サバサバとして大人っぽい個性を持つ風花 舞さんは、健気で可愛らしいヒロインのキャラクターを掴むのにとても苦労したそうです。
『銀ちゃんの恋』は『蒲田行進曲』が原作になっている宝塚の人気作。しかし、主人公の銀ちゃんに暴力は振るわれるし妊婦だし、宝塚の娘役とはかけ離れたヒロイン像です。
風花 舞さんはそんな役でも見事に演じ切ってしまうまでの役者になっていきました。
ダンスはもちろん、演技も歌も、美貌もスタイルも、すべてを兼ね備えたスーパー娘役が「風花 舞」です！
風花舞：相手役は誰？退団はいつ？
風花 舞さんは入団7年目でトップ娘役に就任。久世星佳（くぜ せいか）さんの相手役でした。
久世さんは1年という短い期間で退団を選び、風花 舞さんは次期トップスターになった真琴つばさ（まことつばさ）さんの相手役として、続投します。
久世さんも真琴さんも大人っぽい雰囲気の男役像を作り上げていたので、風花 舞さんとの相性はとても良かったように感じます。
特に久世さんは役者として高い評価を得ていましたので、芝居に関しては久世さんからとても学ぶところがあったようです。
次の真琴つばささんは、おしゃれな色気と、いい意味での軽薄さが魅力だったトップさん。ずば抜けた娘役芸でトップさんを盛り立てました。
そして風花 舞さんは1999年『黒い瞳／ル・ボレロ・ルージュ』にて退団されます。
今度は、真琴つばささんに送り出される形でした。
娘役の集大成、美しさも貫禄も十分で男前なダンスのカッコよかったこと(*’▽’)。
大柄なので男役さんと歩幅も一緒。男役に交じって堂々たる掛け声もあって「え？今のゆうこちゃん？？」とざわめきました。
2023年に上演された『ALL THAT ZZJA / ALL THAT ZZKA』（オールザットズージャオールザットズッカ）では、真琴つばささんともデュエットやダンスを披露。
長年連れ添った夫婦感のある(笑)、息の合ったところを見せてくれました。
風花舞：退団記念に異例のダンスリサイタル開催！
退団を決めたトップ娘役には、卒業記念公演として基本的にはミュージックサロンという形式のランチショー／ディナーショーが行われます。
しかし、風花 舞さんは異例の「ダンスリサイタル」を開催！
歌唱力も安定していた風花 舞さんなので、もちろん従来通りのミュージックサロンでも全く問題なかったと思います。
しかしご本人が半分冗談で「ダンスコンサートならやってみたい」と言ったところ、プロデューサーがそれを実現。
「娘役は男役に寄り添ってナンボ」の価値観がまだ強かった当時、娘役が主演のダンスリサイタルは本当に斬新で、「さすがゆうこちゃん！」と大喝采を浴びました。
『LAST STEPS』と題されたそのダンスリサイタルでは、ロックダンスなども含めた様々な先進的なダンスを披露。
しかも、花組、雪組、宙組から男役の選抜メンバーを招集し、その中には名ダンサーとして他組で活躍していた同期生も。
組を越えてのこの同期共演もまさに「胸アツ」！
娘役は風花 舞さん一人なのに、男役さんに負けない圧倒的な迫力のダンスを見せつけました。
これはスーパー娘役だった風花 舞さんの卒業記念公演に本当に相応しい、素晴らしい花道となりました。
風花舞の退団理由はなぜ？姿月あさと花總まりとの関係は？
退団時の風花 舞さんは入団10年目。トップ娘役になって3年でしたので、もう少し続投しても…という気持ちがファンにはありました。
なにせ、これだけのスキルを持った娘役さんはそうそういませんので。
風花 舞さんが退団を決めたのは、どうやら怪我の影響がかなりあったようです。
ダンサーの宿命とも言える、足の怪我です。
しかも、半月板損傷、前十字靭帯断裂という大怪我でした。むしろそんな膝の状態でよくダンスリサイタルができたものです……！
他にも、怪我によって完璧な状態でパフォーマンスができないから、という理由を退団後に明かしてくれる宝塚OGもいますので、それほど珍しいことでもないようですが……
初舞台からとにかくダンスの名手としての活躍を続けてきた風花 舞さんですので、与えられる振り付けもいつも高難度で特殊なものが多く、その影響もあったのでしょう。
それでも、まさかそんな大怪我を抱えていたとは最後までまったく感じさせなかったそのプロ根性、あっぱれです！
当時の月組にはのちの宙組トップスターとなる姿月あさと（しづき あさと）さんも2番手として活躍されていました。
姿月さんもダイナミックなダンスを見せるスターとして大人気を博していましたので、2人がガンガンに踊る場面も多く、本当に圧巻でした。
その姿月さんとのちに宙組でコンビを組むことになる花總まり（はなふさ まり）さんと、風花 舞さんが似ている、なんて声もあるようですが……私個人としては全くそう思いません(笑)
花總さんは「男役さんに可憐に寄り添う」王道の娘役。風花 舞さんは男役さんと肩を並べて一緒に歩くような新時代の娘役。むしろ正反対のように感じます。
花總さんは風花 舞さんの1学年下になりますので、2学年続けて「なんでもできるスーパー娘役」が輩出されたのはすごいことですね。
風花舞：結婚は？独身？現在の活躍は？事務所はどこ？
1999年に宝塚を退団した風花 舞さんは、芸名を本名の「宮崎優子」に変えます。
元星組トップ娘役の夢咲ねね（ゆめさき ねね）さんもそうでしたが、一旦娘役の自分をリセットしたくなるのでしょうか。
風花 舞さんの場合は、「満足に踊れない今の分が風花 舞を名乗れない」という信念もあったようです。
2003年に再度、膝の大手術を経て踊れる状態に戻ったそうなので、再び芸名を「風花 舞」に戻しています。
宝塚を退団してからの所属プロダクションは、割と移籍を繰り返しています。
最初に所属したのはなんと！吉本興業！風花 舞さんは関西出身ではありませんし、これにはずいぶん驚きました。
2008年に吉本興業を退所、宝塚OGも多く所属するブルーミングエージェンシーに移籍しますが、こちらも2010年に退所、次はキャンディットというプロダクションに。
しかしキャンディットも2014年に退社となり、現在はKWANという小さな事務所に所属されています。
仕事内容をしっかり吟味してご自身で決めていきたい考えなのかもしれませんね。
それでも、舞台にはずっと出演を続けていますし、なによりCMや映画、ドラマ、ラジオなど、メジャーな場でも活躍をずっと続けられているのがすごい！
所属事務所の規模は関係なしに仕事がどんどん集まってくるのは、やはり風花 舞さんの実力・魅力のなせることなのでしょう。
気になるご結婚はというと。結婚歴はなく、現在も独身のままです。
これだけの美貌の持ち主なら……とは思いますが、やっぱり「踊っていたい、仕事をしていたい」という気持ちが最優先なのかもしれませんね。
風花舞：CMや舞台、テレビの出演は？
現在も整腸剤のCMなどに出演されているので、テレビで見かけるたびに宝塚ファンは「あ！ゆうこちゃん！」と嬉しくなります(#^.^#)
ドラマはもちろん、バラエティーでも様々な人気番組に出演されてきました。
いま思えば、吉本興業所属ゆえにそのようなブッキングが多かったのかもしれません。
ご自身がプレイヤーとして活躍されることはもちろんですが、教える立場としても長く活動されています。
現在も、なんとバレエ用品で有名なチャコットの講師としてレッスンを受け持っているようです。
しかも担当はバレエではなく、ジャズダンスとヒップホップ！！！
現役時代のあの躍動的なダンスを見ると確かにヒップホップを教えられるまでの実力の持ち主です。
「あの風花 舞さんに教えてもらえるなんて！」と講座に通う生徒さんも多そうです。
「自分が踊ってみせられる間は踊っていたいけど、いつまでもそれはできないから」ということをインタビューでお話していましたので、いつの日か講師のお仕事も引退を考えられているのでしょうか。
宝塚出身の「ダンスの名手」と言われる人は少なくありませんが、その中でも風花 舞さんは本当にトップクラス。
踊れないときは芸名を変えてしまうほど潔い考えの持ち主ですので、きっと踊っていてくれる期間は貴重でしょう。
お芝居もCMももちろんハイレベルですが、やっぱり風花 舞さんのダンスはまさに「絶品」。
ダンス公演をまだご覧になったことのない人は、機会があればぜひ足を運んでみてほしいです！
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